石の上にも3年~経営者の立場から(1)~
開業3年を迎えて
「石の上にも3年」という諺があります。冷たい石の上でも3年座り続ければ暖まるという語源から、どんなに辛くても辛抱すれば必ず成功する、という意味で用いられています。
当院もこの2月19日で3周年を迎えました。開業当初は、3年後というと大分先に思えましたが、3年経って振り返ってみるとあっという間でした。この3年間は臥薪嘗胆の時期だったかといえばそうでもなく、年々患者数・検査件数は増え、初年度1200件程度だった検査件数が今年は1900件ちょっとまで増えました。したがって、自分の経験を「石の上にも3年」に当てはめると、「冷たいかどうか分からない石の上に座ってみて、特に辛抱することなく2年でその石が冷たくなかったことを理解して現在に至る。ただし、成功したかどうかは未だもって分からず。」といったところでしょう。順風満帆だったかと言えば紆余曲折が激しかったような、商売繁盛だったかと言えばクリニックに車が突っ込んだ時以外一度も行列が出来なかったし、万事如意だったかと言えば万事塞翁が馬だったり、振り返るとただ「感慨深い・・・」の一言につきます。そして、もし3年前の自分に声をかけることが出来るなら、「心配するな、焦らず自分の信じた道を行け!」と、その当時落ち込んでいた自分に声をかけてやりたい。
我々の業種は、正確に言うと医業になります。医療だけでは成立せず、通常のサービス業と同様、経営という要素も大事です。自分自身に自信があっても、患者さんが来てくれなければスタッフに給料が払えません、借金が返せません。「僕は医者だから信用してくれ、医者だから借金返済は待ってくれ。」、お金を借りれば社会的地位、立場など全く関係ありません。「医者だから」は通用しません。
「医業にもっとサービスを!」をモットーに、他のサービス業と同様、経営者としてハード面、ソフト面からアプローチを行いました(ハード面に関しては以前のコラムで何度も書いてきたので割愛させていただきます)。ソフト面を如何に作り上げて行くか、ということに対して僕が下した決断は、医業経営という正解のない確立された方法論がない荒野に飛び出して行くのだから、「自分たちで試行錯誤しながら作って行こう!」でした。それにあたって気をつけたことは3点、1)基本理念の作成と周知徹底 2)情報の発信 3)患者さんアンケートの活用 でした。この3点は他業種では当たり前のことですが、自由診療のクリニックを除いて医業で積極的に用いたクリニックを僕は知りません。