嬉しい!悲しい!祝、田校センバツ出場!(何!100万円?)
母校の選抜高校野球大会出場の第一報を聞いた本音を語るなら、嬉しさ8割不安2割といったところ。関係者じゃなければ100%喜べた。出場が実しやかに語られるようになって以降、「甲子園に行ったら、先生なら100万円は寄付せなあかんな!」と周囲から冗談半分に言われた。決して恵まれているとは言えない環境下でセンバツ出場を勝ち取った後輩に快哉を叫ぶ一方、同時に100万円が現実になるかもしれない動揺が走った。「先生!田校(でんこう)甲子園に行けますよ!」満面の笑顔でクリニックスタッフ(後輩)が朗報を伝えてくれた。けれども、僕の表情はきっと引き攣れていたに違いない。母校の76年ぶりのセンバツ出場と100万円が脳裏を横切ったから。嬉しいやら悲しいやら悲喜こもごもの1月26日に。
甲子園出場が決定してからの野球部保護者・野球部OBの動きは素早かった。当たり前だが、公立高校が先頭立って寄付を募ることは不可能。野球部関係者を主体にすぐさまセンバツ出場実行委員会が立ち上げられた。野球部活動に長年携わってきた元県議が会長、田辺高校から校長・PTA会長・野球部保護者会が、卒業生から野球部OB会長と同窓会長が副会長として名を連ねることに。野球部を中心に実働・実行部隊も形成され、抜かりなく物事が進められていった。数々のイベントを取り仕切ってきた僕でさえ、野球部OB会の手際のよさに「あっぱれ!」としか言いようのない素晴らしい初期対応。ところがだ、しばらくしてOB会長が突如としてクリニックへ訪問。進捗状況の報告の後、「申し訳ないけど、先生、(実行委員会)会長になってくれんの?」ときた。まさに狐につままれた気分。話を聞くと、諸事情により会長から職を辞退したいとの申し出があったようだ。ついては会長とOB会長の審議のもと、僕に白羽の矢が立ったようだ。
「誘われた飲み会は断らない!」、「肩書が人を育てる!廻ってきた役職は引き受ける!」、これが僕のモットー。しかし、川崎鷹也の「魔法の絨毯」の歌詞ではないけれど「お金もないし力もないし人脈も人徳もない」僕にそんな大役が務まるだろうか、申し訳無さそうに「本当にいいんですか?」の問いに決然とした「お願いします。」の返答。76年ぶりに出場する選抜高校野球出場実行委員会長と言えば、ある意味名誉職。それなりに社会的立場にある高校OBなら、役職に就きたいと思っている人もいるだろう。それに今回逃したら、次回いつ巡ってくるかしれない。現同窓会長という立場になければ声さえかからなかったのだから、これはもう天命としかいいようがない。躊躇しながら会長職を引き受けることにした。
肝心の寄付の件だが、自宅、クリニックおよび介護施設の莫大な債務に、まだまだ二人の医学生を抱えた身に100万円は到底不可能。関係者と相談して、周りに圧をかけない周りに納得してもらえる金額に収めることにした。調べたら医師の時給は1〜1万5千円らしいので、100万円は払えないけれども100万円分の仕事を頑張ろうと心に誓っている。