ゴールドフィンガー2011 パート1
3日連続の酒席で
今回は、黒のドクロ模様の入った綿の着物で。
やはり着物はどこへ行っても好評です。
このコラムは、僕の身近な人達も見てくれているので、あまり馬鹿なことは書けない、と思っている。けれども、人生かっこいいことばかりではない。時には、いや結構、情けないとほほな出来事が身の回りで起こっている。以前に書いた「微妙な感覚」もそうである。おもしろくて良かったよ、と幾度となく声をかけていただいた。
今回、飲みに誘われれば断らない、がモットーの人間に起こった3日連続の、気分が悪くなるまで飲んだ酒席にまつわる出来事を報告する。
6月24日(金)
半期に一度の恒例の長嶋雄一クリニックのカラオケ大会があった(詳細は前回のコラムで)。いつものように飲めや歌えや騒げやの盛会となった。この会では身分は一切関係がない。院長である僕自身も「一気飲み」を何度もさせられた、というか率先した。
家に帰るや否や、どうにかこうにか汗びっしょりの体をシャワーで流してすぐに眠りについた。
6月25日(土)
頭が痛く、吐き気がして目が覚めた。クリニックが休みの土曜日だったのでゆっくりしたいところではあったが、以前、機会があって訪れた新宮の割烹で出会ったご夫妻との会食のため、昼から新宮へ行かなければならなかった。「次回は着物を着て再会しましょう」と約束をしていたからだ。車で1時間半、自称着物店社外取締役である僕、着物店店長、そしてわざわざ京都から来た着物店専務の男3人のむさ苦しい小旅行である。梅雨の合間の真夏日に、ホテルで着物に着替えて、いざその割烹へ乗り込んだ。
しかし、「いやー、ごめんごめん、今日は暑くて」と涼しい顔をした洋装のご夫妻にびっくり、「あんたらそれ掟破りやで、裏切り者!」と思わず叫びそうになった。酒席では社会的地位は関係ない、あるのは年功序列だけだ。「そうですよね、30度近くあれば大変ですよね。」と心にもないことを言って会食は始まった。前回同様、終始着物談義で盛り上がった。
新宮市といえば三重県との県境にある都市で、奈良県に近いせいもあるのか、同じ和歌山県でも田辺市とは相当文化が違う印象がある。そのお店では、何も頼んでいないのに座っただけで「もう結構です止めてください」と言うほど山海の珍味が次々と出て来るのである。お酒も、「次、何飲む?」と珍しい焼酎が次々となみなみと注がれる。それでいて勘定はというと、いつも1000円単位で「あれ飲み代は?」というまさにどんぶり勘定なのである。これくらいの料理でこれくらいのお酒を飲めば大体これくらいの値段になるだろう、という想定をいつも裏切られる。
田辺には絶対こんなお店はない。この割烹はおそらく新宮でも特異な店だと思う。しかし、このようなスタイルのお店が継続していけるお得意さんがその土地にいること、ひいては、このような勘定の仕方を許容する文化があること、このことに感心する。
昨日カラオケ大会に出席した僕と着物店店長は、専務を残して2次会の宴席を中座した。二人とも疲れていたのと、僕は佐野元春の「ザ・ソングライターズ」を観るためだ。この辺りは割り切っていて、飲みに誘われれば断らないが、基本的には22時までと決めている。だらだら続く酒席ほど無粋なものはない、と考えている。
翌日の目覚めは、相当飲んだにも関わらず昨日より楽だった。着物を畳んでもらうために店長さんに部屋に来てもらったところ、眠そうな顔で「ぐっすり眠っていたら、深夜に帰って来た専務に無理矢理起こされ、2時間も説教をされましたよ。あんまりくどいので、お父さんそっくりですねと思わず言っちゃいました。」雇われ人はつらいよ、ほとほと思った。
このように飲まされています。