偲ぶ会~異人との出逢い~
第10回長嶋雄一クリニックカラオケ大会(1)
L字型の変則の酒席です。
この2倍の数がもう一方にいます。
今回は10回目の記念大会であった。当院に出入りしている製薬会社および製薬卸、医療機器卸、鍼灸治療院スタッフ、門前薬局社長、血液検査会社に僕の友人、それに友人の友人、総勢34名プラスαの盛大な会になった。10回という区切りの会でもあったが、それ以上に様々な思いが込められた会だった。一つは長嶋雄一クリニック開院5年、長嶋鍼灸整骨院「風雅」の開院記念であり、もう一つは、よく参加してくれる観光バス会社社長の結婚祝いを、そして、結婚祝いとは真逆の製薬会社元担当者の弔い会も兼ねていた。今からプラスαのことを話させていただく。
製薬会社の元担当者とは、僕が南和歌山医療センターで勤務するようになって以降面識はあったが、懇意になったのは開業してからである。研究会への参加の案内はもちろん、当地での消化管の勉強会の開催等、消化器内科医間の病診連携が円滑にいくよう尽力してくれた。私的にも、本人自身が当院で内視鏡検査を受けてくれたし、奥さんが体調を崩した時には、自分のこと以上に心配して連れて来てくれたのが印象的であった。 年明け早々◯◯さんは、「どうも胃の調子がすっきりしないので検査をしてください。」と訴え来院された。年末年始の暴飲暴食が原因くらいに考えていた僕は、種々の検査結果を見て愕然とした、直ぐさま高次病院を紹介した。紹介先からの返事は相当厳しいものだった。しかし、1ヶ月もしない間にクリニックに姿を見せてくれた。「今治療中なんですが、家にこもっていても気が滅入るだけなので仕事してますわ。」と笑顔で話していたが、痩せ細った姿から発せられる言葉は痛々しかった。「もう少し落ち着いたら、快気内祝いをしましょう。」と答えるのが精一杯だった。 後日奥さんがお礼に来てくれた際、思い切ってお願いしてみた。「近々、年2回開催しているクリニックのカラオケ大会があります。◯◯さんは、何度かカラオケ大会に参加してくれたこともありますし、◯◯さんの快気内祝いをしたいと思っていた他の製薬会社の方も多数参加します。僕自身も、◯◯さんと食事に行こうという約束が果たせず、すっきりしないままでいます。つきましては、カラオケ大会の日に御遺影をお借り出来ませんか。◯◯さんを偲ぶ会にもしたいのです。」、不謹慎で無礼なことは重々承知しているが、それ以上に、仲間として皆で偲びたい、皆でお別れをしたいという気持ちが強かった。有り難いことに、奥さんから二つ返事で了解が得られた。 プラスαとは、この世にいない異人のことである。会の始めの挨拶で、◯◯さんのご遺影が皆を見下ろせる場所に配置して、今回のカラオケ大会は偲ぶ会であることも説明した。当初は神妙に聞いていた人達も、会が進めばいつもの調子で、飲めや騒げや歌えやの大盛会になった。一次会中ふと見上げると、◯◯さんの満面の笑顔がそこにあった。 カラオケ大会後、供花とともにご仏前にお参りをさせていただこうと考えていたが、奥さんがわざわざご遺影を取りにきてくれた。皆がそれぞれにお別れできたこと、楽しい会であったことを報告させていただいた。「楽しい会だったんでしょうね、久しぶりに夢枕に出てきてくれましたわ。」との奥さんの返事に言葉が詰まった、何も言えなかった。 |
締めの、いつもの全員合唱です。 さすがに女性はどん引きです。 |