適度な運動
院長、運動を始める
ヘビースモーカー医師の禁煙外来、太った内科医の肥満外来、アルコール中毒の心療内科医のメンタルケア、どれも様にならないし説得力がない。
ロン毛の内視鏡医の診断、・・・・これは微妙である。
生活習慣病、高血圧や脂質異常、糖尿病の患者さんには、決まり文句のようにこう説明している、「腹八分目に食べて、適度な運動をしましょうね」と。とはいえ、自身は全く運動をしていなかったので、何となく引け目を感じながらの説明であった。一時期、ダイエット目的で歩いてみたが、一向に体重が減らないのと、適度な運動をしているという実感がなかったため止めた。それならと走ってみたが、喘息持ちの自分には想像以上にこたえた。夜間走っていると足元が見えにくく不意に転倒しそうだったし、走行車に危険を感じることが多々あったのも長続きしなかった理由である。ジムに入会することも考えたが、行く頻度と入会金、月額利用料を考えると費用対効果に乏しいように思われた。
絵に描いた餅のような説得力のない患者説明に、どんどんたるんで鈍くなっていく体型にほとほと嫌気がさしていたところに、ふとした出会いが合った。リンクしているカルチャーセンター・スポーツジムのスタッフが当院を受診してくれた。その際、そのスタッフから、広告パンフレットを院内においてもらえないか、依頼があった。生活習慣病予防に運動は効果適面なので、二つ返事で承諾した。何気なくパンフレットを見ていたら、チケット制でスポーツジムが利用できることが書かれていた。これなら行った分だけチケットを渡せばいいので、月額利用料の元をとってやろうと意気込むことはないし、月に行く回数が大体分かるので会員になるかならないかの判断ができる。クリニックでまとめて購入すれば、スタッフの福利厚生にも繋がる、一挙両得である。
6月から週2回のジム通いが始まった。空いている時は極力プールを、そうでない時はジムを利用している。忘れもしない、初めてジムに行った日、ランニングマシーンで15分歩いただけで息が上がり足腰がふらついた。初めて泳いだ日、片道15mのプールをクロールで1往復しただけで溺れそうになった。自分の体力のなさを痛感したが、一方、汗を流すことの気持ちよさも再認識した。だんだん慣れてくると、ウオーキングからランニングにしてみた。けれども、前胸部から側胸部お腹についた脂肪が、走るとタプタプして何だか重いし、胸が痛かった。水泳も、15mくらいはマイケル・フェルプスのように泳いでいるつもりなのだが、あとは、欲しい物をねだる駄々っ子のように、おそらくばたばたしているだけのフォームなのだろう。泳ぎ始めた頃は、胸が痛く上肢を挙上できなかった。
続けていると、いつの間にか胸のタプタプ感もなくなり、最近は9Km/時くらいのペースで30分近く走れるようになった。泳ぎの方も、格好はよくないが3往復できるようになった。今後のテーマは、腕をブルンブルン振り回す泳法から、肩の力を抜いて長い距離を泳ぐ泳法を身に付けることである。
近頃、いい意味での体の変調を感じるようになった。夏場は、潰瘍性大腸炎の特定疾患更新や大腸癌健診陽性者のため大腸内視鏡検査数が増える。例年なら、1日に15件も検査をすればへとへとになっていたが、今年は倦怠感・疲労感をあまり感じない。体力、持久力がついてきているようだ。
また、これからは自信を持って説明できる。「適度な運動をしてくださいね、僕の場合は、週2回・・・・」、説教臭い説明になりそうなので気をつけなければ。