院長のコラム

プールと浴衣と私

2012夏

好きな絵画の一つです。
「ある芸術家の肖像」という題名を知ったのは最近で、
ますます興味を惹かれました。

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今回は平松愛理の名曲「部屋とYシャツと私」にかけて。
2012年の夏休みが終わった。旅行好きな訳でもなく、海が好きな訳でもなく、趣味という趣味を持たない僕にとって、夏はただ過ぎていくだけの一つの季節にすぎない。社会人になって以降、特にそうである。しかし、今年はいつもの夏と少し違っていた。

ファッション好きな人間にとって、夏ほど面白くない季節はない。上着が着られない、重ね着が出来ない。僕の好きな素材ウールは、汗をかきやすく吸収しない。特に、黒が主体のヨウジヤマモトは暑苦しさがにじみ出ていて、おそらく周囲から白い目で見られているに違いない。今の時代なら、T-シャツにクロップドパンツで十分である。
したがって今年は、友人たちと飲食する夜には、箪笥の肥やしになっていた浴衣を着るように心がけた。素材は綿麻もしくは綿なので、さらっとしていて素肌に気持よく、汗の吸収性もいい。帯を締めていて一見暑そうに見えるが、深く開いた衿元・袖元・足元からこもった熱が放散されるし、逆に涼しい風が体内に入って来て爽快である。また、カランコロンとなる下駄が夏らしく、扇ぐ扇子が粋で風流である。
何よりも周囲からの評判が良かった。飲食店の人から、必ずといっていいほど「やっぱり、夏に浴衣はいいですね。」と声をかけられた。友人たちからも高評価で、「来年の夏は浴衣を着て食事をしよう。」と約束した友人が何人いたことか。夏の楽しみが一つ増えた。

心機一転、この夏から週2回程度、スポーツジムに行くようになった。徐々に運動することが習慣化してきたので、この夏はプール三昧になった。
訳あって、白浜近くにあるリゾートマンションを格安で利用できる。リゾートマンションといっても築35年は経過しているので、イメージするものとかけ離れているが、それでも温泉があり、夏にはプールが利用できる。今までは、来客があった際に使用するだけだったが、今年はフルに活用できた。仕事を終えるや否や自宅に道具を一式取りに帰り、子供たちを連れてマンションに車を走らせた。自分の健康のため、帰省している息子たちの気分転換のため、プールをせがむ三男のため、これくらい皆の気持ちが一致するイベントはそうそうない。小一時間ほどプール遊びをして、冷えた体を温泉で温め、渋滞した道路を迂回して帰宅すると、ちょうど夕食時である。4人分の節水にもなったし、ひいては節電にも貢献できた。夏の楽しみが、もう一つ増えた。

しかし、どれくらいぶりだろうか、真っ青な空にそそり立つ入道雲を、プールからじっくり見たのは。デビッド・ホックニーの「ある芸術家の肖像」や大滝詠一の「A Long Vacation」のアルバムジャケットを思いだした。何度も夏を迎えてきたが、僕の夏のイメージは16歳のままである。大滝詠一、佐野元春、杉真理(まさみち)で構成されるナイアガラ・トライアングルVol.2の中の楽曲、杉さんの「夢見る渚」がそれである。この曲を聴くと、僕の中の理想の夏が思い浮かぶ。この曲を真夏に聴くと、なぜか、過ぎていく夏、終わりゆく夏を想像して切なくなる。
今年で、長男が高校2年生相当になった(中高一貫校では5年生になる)。僕が高校2年生の時、亡くなった母が発病した。したがって、僕の心の中ではいつまで経っても楽しいはずの夏が、母の発病と「夢見る渚」である。この夏は終わったが、今のところ我が家族に大病をした者はなく、身近な人にも大過がなかった。この夏は、様々な意味で来年に繋がることの多かった夏で、僕の心の中でだけ一区切りがついた夏でもあった。

八面六臂の活躍をした浴衣です。
金彩で描かれた、まさに髑髏(しゃれこうべ)。
今時のドクロマークと異なり趣がありユーモラスがあります。

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