当院における潰瘍性大腸炎の臨床像(1)
田辺地区「第3回若手クローン病勉強会」より
先日田辺地区「若手クローン病勉強会」で、当院の潰瘍性大腸炎患者さんについて報告してきました。潰瘍性大腸炎とは、その名の通り「大腸」に炎症が生じて大腸粘膜に「びらんや潰瘍」をつくる病気です。原因として、遺伝的なものや、腸内細菌、食事等が言われていますが、いまだに原因が特定されていません。そのため「難病」として厚生労働省の特定疾患に指定されています。
当院が開院して3年、潰瘍性大腸炎の患者さんが増えている印象はありましたが、まとめる機会を持てずにきました。先日の会での発表を機に集計しましたので、その一部をここに報告します。
(1)患者数と男女比
累計患者数は31名で、男性21名、女性10名でした。
開院前からフォローしていた方は11名、開院後に新規申請した方は20名と、
開院後に患者さんが増える傾向にあります。
(2)年齢分布
20歳代 6名
30歳代 6名
40歳代 5名
50歳代 6名
60歳以上 8名
以上のように年齢は多岐にわたり、年齢分布に特徴は見られませんでした。
発症年齢もほぼ同様の結果でした。
(3)居住区
和歌山県みなべ町 3名 三重県紀宝町 2名
田辺市 12名 熊野市 2名
上富田町 5名
白浜町 1名
串本町 3名
那智勝浦町 2名
新宮市 1名
以上和歌山県南部から三重県南部まで広範囲に及んでいます。
(4)病変範囲
全大腸型 9名
遠位大腸型 11名
直腸型 9名
その他(左側結腸型1名、区域型1名)
当院では、遠位大腸型(炎症範囲がS状結腸まで)の患者さんが多い傾向にあります。
特に、開院後の割合はさらに増えます。
(5)臨床経過
再燃緩解型 28名
初回発作型? 3名
初回発作型は、申請して以降再燃していない患者さんです。クエスチョンマークとしたのは、今後再燃する可能性があるからです。
(6)難治性
難治性あり 15名
難治性なし 16名
年2回以上再燃する方を難治性あり、と定義しています。難治性の方は約半数になりますが、何れも外来治療で緩解しています。
次回は開院後の患者さんを中心に報告します。
画像は遠位大腸型のS状と直腸病変です。