ゲッツだぜ!
師が走った睦月(1)
このジャケットを着ていたので、
スタッフに勧められたのでしょう。
定価では、このままのスタイルを買えませんでした。
2013年の年始は例年になく慌ただしかった。我が月記であるこのコラムで、(医)師が走った年始を兎にも角にも書き留めておきたい。
1月2日は、我々夫婦にとって大事な新春大セールである。早く起きて、列車で向かった先は大阪梅田である。我が家の衣服係数が他所の家庭よりも高いことは、誰もが知るところである。僕は亡き母のDNAをそのまま受け継いだようだ。とはいえ、使う金額には限度がある。毎シーズン思案に思案を重ねて、数点のセットアップ(上着とパンツ)をどうにかこうにか定価で購入している。セールでは、断腸の思いで断念したジャケットや定価では手の届かなかったバッグやカットソーの小物類が40%引きで購入出来る。この場だから言えることだが、僕の服の半分近くはセール品といっても過言ではない。 Dr.マーチンという、見れば誰もが分かる靴がある。説明するのは難しいが、ラバーソールにたくさん並んだ紐を通すためのホールと内側のジップが特徴的なブーツである。妻がセールで訪れたY’sで、春物に先立ってDr.マーチンとのコラボシューズがセール終了前後に販売されることを知らされた。通常のマーチンとは異なり、ラバーソールが黒味がかっていて、何よりも後ろにジップがついている。マニアな話になるが、マーチン好きにはたまらない一品である。妻がぜひとも購入したいと言うので、後日再度、セール期間中に梅田のデパートへコラボマーチンを購入すべく立ち寄った。 Y’sに行く前に、何気なく吸い寄せられるように立ち寄ったヨウジに、前回なかったあの名品パイレーツブーツがあったのだ。思わず「これセールなのですか?」と聞いたところ、スタッフから「そうですよ、長嶋さんが買うしかないですよ。」の返事に迷わずためらわず購入した。しかも、縁は奇なりである。Y’sはレディースブランドなのに、妻のコラボマーチンを購入しに行ったところ、スタッフから「大きなマーチンもありますよ。」と声をかけられた。???、「問い合わせを頂いた方がキャンセルされたので、もしよろしければどうですか。」ときた。ジャイアント・ババーがキャンセルした貴重品が僕にまで回ってきた。 一方、セールは良い事ばかりではない。定価で購入した商品がセール商品として出ていることもある。瞬間苦々しい不愉快な気分になる。僕の審美眼が鈍っていたのか、それともヨウジのスタッフの展示会での発注量ミスなのか、責任の所在は何処なのかと自問自答する。そして、少しばかり時間が経ってから、いつものように自身に言い聞かせる。「同じ商品だけれどもサイズ違いでしょ。」「同じサイズ(のジャケット)だけれども、それに合うパンツがないでしょ。」「ヨウジの新作を、3ヶ月も経ってから着るのは真のファンと言えないでしょ。」この時ばかりは、ミスターネガティブ栗原類から尾木ママに気分を急変身せざるを得ない。 セールは、喜怒哀楽、悲喜こもごも、人生の哀愁を感じる場である。山本耀司さんが現役でいられるのも、そう長くはないだろう。その間は、こうして懲りずにセールに行き続けるのだろう。 |
男性サイズのY’sとのコラボマーチン、 知る人にとっては貴重な一品だそうです。 |