院長のコラム

彼女

2013.03.17

ラブ・ソング


2月23日はタイミングが良かった。研究会で上京したその夜に、佐野(元春)さんのコンサートが東京国際フォーラムであった。ハートランド、ホーボーキング・バンドに引き続くコヨーテ・バンドを従えての初のホール・コンサートである。

コヨーテ・バンドがバックバンドのライブは、自身2回目である。前回、Zepp大阪の印象はあまり良くなかった。ライブハウスなので終始立ち放し、所持品を置く場所が気になるし、前後左右のお客さんとの距離感が微妙で居心地が悪かった。ライブ自体の構成も、一緒に制作したアルバム「COYOYE」が中心のため、盛り上がったと思えば急にトーンダウンしたり、同じような曲調の曲が続いたりとメリハリに欠けるものだった。しかも、バンドメンバーの若さに加えて、バンドとしてライブ活動を始めたばかりであった。以前のバンドと比較して、荒削りさ、まとまりの無さは否めなかった。
2回目の今回は、前回の印象とは打って変わったものだった。若さ・荒削りさが、新鮮・勢いに変わっていた。内視鏡医にとって日々の内視鏡検査が大事なように、バンドにとってライブの積み重ねが重要である。バンドとしてのまとまりはもちろんのこと、セットリスト(曲目と曲順)も絶妙であった。アンコールで使われることの多い「アンジェリーナ」がいきなりオープニングを飾り、新旧のビートの効いた曲でたたみ掛けた後、久しぶりにラブ・バラードを演奏してくれた。その中でも一際印象的だったのが「彼女」である。

佐野元春と言えば、ロックンローラー、ビート詩人、早口で歌うミュージシャンというイメージが強いが、実は稀有なメロディーメーカーであることは、昔からのファンには周知の事実である。
ラブ・ソングと何も考えずに、即座に僕の頭に浮かんだものを列挙してみる。globeの「Departure」、宇多田ヒカルの「First love」、中島美嘉「冬の華」、少し遡ってドリカムの「忘れないで」、ユーミンの「A Happy New Year」、何れも女性ミュージシャンの曲である。男性ミュージシャンで少し考えて浮かんだのは、オリジナル・ラブの「プライマル」、サザンの「真夏の果実」である。
佐野元春初期のラブ・ソングと言えば、「情けない週末」「バルセロナの夜」そして「彼女」の3曲である。i-podや車のHDDから突然、これらの曲が流れてくると切なくなる。この3曲に共通するのは、歌詞とメロディーが一致していること、歌詞を読んでから曲を聴くと、この歌詞のための曲、この曲のための歌詞、素晴らしい組み合わせであることを理解する。

佐野さんのコンサートに今回も参加して、いつか佐野さんのようになれたらと願った。絶望の淵にいる人を勇気づけられることの出来る、暗く沈んだ心を前向きに導くことの出来る、打ちひしがれた命にあかりを灯すことの出来る、そして何よりも、その人と同じ時間を共有出来たことに感謝されるような人間になりたいと願う。

「彼女」  作詞・作曲:佐野元春

引き潮のように
すべてが遠のいてゆく
影の中に残されて
彼女の歌は もう聞こえない
燃える夜を貫いて
彼女を愛していた
耳に残るささやきは
幻のようにくり返す

きのうまで話していた
恋人とは思えない
彼女のキスは まるで
氷のように冷たい
同じ季節の中で
二人は踊り続けた
何がいけないのか
教えて欲しいのさ

彼女の扉の外で
長い間 待っていた
風が吠えはじめて
街の顔がうつろってゆく
このまま闇の中に
とけこんでしまいそうだぜ
僕だけが まだ夢を
みているように

流れてゆく 変わってゆく
街のざわめきを後にして
流れてゆく 変わってゆく
Here in the twilights

彼女が運んできた
季節とともに
明日ここから
離れてゆこう
燃える夜を貫いて
彼女を愛してきた
耳に残るささやきは
幻のように消えてゆく

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