忖度してよぉ、レクサスLX
本年7月、とうとうランボルギーニ・ウルスの初回車検を迎える。それはすなわち、ウルスを返却し手放すこと、そして3年の残価設定ローンが終了し清算することを意味する。NSXに愛想を尽かして選んだのが、まさかのランボルギーニだった。手付金を入れて納車までに約2年半、納車されてからはや3年が経過した。待っただけの甲斐は確かにあった。NSXとの2年、ウルスとの3年、その思い出は段違い平行棒である。背が高く中身がアウディだったとしても、闘牛マークを背負った車である。ランボルギーニという会社のアイデンティティをウルスに垣間見た。イタリアから定期的に書籍が送られて来た。販売店から数々のイベントに案内された。ランボルギーニ・オーナーと交流が出来た。NSXオーナーでは味わえなかった世界を知った。この車にドナドナを告げる日が刻々と近づきつつある。
ウルスとの入れ替えは本来ならフェラーリ・ローマだった。しかし、思い通りにはいかず、昨年10月中旬にプレスリリースされたレクサスLXに白羽の矢を立てた。担当者に逐一連絡を取り、11月25日の先行予約開始日当日には注文書を作成した。レクサス開業時からの付き合いで、もう十数台購入しているから担当者とは阿吽の呼吸である。レクサス車を購入する場合、大体このパターンで発注している。従来なら、正式発売を迎えて数週間以内納車が通常だった。しかし、今回は1月12日を過ぎても何の音沙汰もない。兄弟車のランドクルーザー300の納期が正式に4年と発表されたのは、1月19日のことだった。嫌な予感がした。
担当者に単刀直入に聞いてみた。先行予約で30数台の申込みがあったようだ。販売店も以前と比べて規模が大きくなり販売員も増えた。其々に顧客がいて、今回どの順番で発注するのか、社内で喧々諤々の議論になっているとのこと。販社との付き合いの長さや購入台数で行くのか、それなら若手は不利になるのでいっそ公平にくじで決める等、発注順を決定できない決定会議が続いていたそうだ。そもそもメーカーの生産体制が整わず、販社からメーカーに発注出来ない。いつから発注を受け付け、月々に何台生産するかの案内もない。そうこうするうち、2月18日にはレクサスLXも納期が4年と正式にアナウンスされた。このコラムを書いている3月下旬、納期は全く分からない。「今までの実績を考慮して忖度してよぉ。」と思うが、親しき仲にも礼儀ありでゴリ押しは出来ない。
コロナ禍による半導体と部品不足、ウクライナ戦争、サプライヤー企業に対するサイバー攻撃、地震災害等、今回の納期遅延の原因は重層的である。これらに加えて、人気の二極化もあるように僕は感じている。物品の購入に関して、資産性を求める人が多くなったような気がする。最たるものはロレックスである。定価160万のデイトナが、二次マーケットでは600万以上で売られている。僕は以前から意識していたが、リセールバリューという概念が浸透しつつある。人気商品を購入するには、プレミアムを支払うか長い納期に耐えるかである。一時期レクサスLXを諦めようとも考えたが、これに変わる車がないのも事実である。いつ来るとも分からないクルマをじっと待つ日々である。