「BRUTUS」、僕の人生の分岐点に指針を与えてくれた雑誌
千葉学さんとの出会い。
当院は、エキセントリックな院長(以前の上司命名)が気に入った雑誌を置いています。「BRUTUS」も好きな雑誌なのですが、紙圧?紙腰?が弱いため、本立てに置くとすぐにお辞儀をしてしまうので定期購読は断念していました。ただし、本屋に立ち寄った際はなるべく目を通すようにし、気にいった内容の時は購入していました。10台の後半から40になった今でも目を通す雑誌はそう多くありません。人生の分岐点に指針を与えてくれた雑誌となると「BRUTUS」以外あり得ません。一つは建築家千葉学さんとの出会い、もう一つは子供の学校を選択する際、に重要な役割をはたしてくれました。いや、恩人と言って過言ではありません。
あちこちで話したり、書いたりしていますが、10年ほど前の「BRUTUS」に「これからの大御所建築家」といった内容の特集号に千葉さんが取り上げられていました。プロフィールとともにいくつかの定型質問への返答が載せられていました。その中に、千葉さんの好きな服:ヨウジヤマモトという答えにピンと来ました。
その当時はまだ今のように、建築家と家を建てましょう、ということが一般的ではありませんでした。ましてや、その当時まだ無名の若い建築家が一般誌に取り上げられることは皆無でした。今振り返ると、その当時取り上げられた方は今や第一線の有名な建築家になっています。千葉さん自身もその当時は、ナンシーフィンレイさんと共同で事務所を設立しており、確か東大の助手だったと記憶しています。今や、事務所を独立して数々のコンペを獲るとともに、東大の准教授として後進の育成にも尽力されています。専門誌ではなく、一般誌でこのような特集を組んだことの何たる先見の妙、感服せざるを得ません。
その雑誌が取り組んだ記事が単なる流行を追ったものだけなのか、流行を先どりしているのか、はたまたその時の編集部ののりなのか、理解するには数年経てから読み直すことが大事です。「エスクワイア日本」「タイトル」、僕の本棚には数年前のものが残っていますが、今読み返しても読み応えがあります。
一方、全くダメなのがカー雑誌です。新車が出た直後にはさんざん持ち上げておいて、数ヶ月も経てば徐々に粗を指摘して、マイナーチェンジをすればその問題点が改良されよくなった、そしてフルモデルチェンジをするや否や、前モデルを遥かに凌ぐデザイン・性能と持ち上げる。まったくもってワンパターン、結局言いたいところは、現時点で一番新しい車が歴代モデルで最高なのでしょう、とつっこみを入れたくなります。
ネット社会ではお金をかけずにいとも簡単に情報が得られます。しかし、こんな時代だからこそ、数年の時が経ても色褪せない記事、特集が生き残って行くことを切に願います。