院長のコラム

「アンメット ある脳外科医の日記」を考えてみた。(前編)

2024.07.14


若葉竜也目的で見始めた関西テレビ月曜夜10時放送の「アンメット ある脳外科医の日記」。不慮の事故で脳を損傷し、記憶障害を抱えた杉咲花演じる脳外科医川内ミヤビが主人公。原作は、現在連載中の同名漫画で作者は元脳外科医とのこと。事前情報を何も入れず、「面白くなければ録画を止めればいいや。」程度の興味本位で見始めた。とは言え、以前僕が大絶賛したドラマ「エルピス-希望、あるいは災い-」と同じ枠で同じカンテレ制作、寸分の期待はあった。先入観が何もないから当初、スーパードクター八面六臂の活躍物語、医療チームの信頼と友情のストーリー、事故原因を探るサスペンス、川内ミヤビの同僚若葉竜也演じる三瓶友治との恋愛物語、利権を暴く勧善懲悪作品、あれこれ想像を膨らませながら見ていた。

回を重ねるごと、緩やかながらドンドンとズンズンとドラマに引き込まれて行った。ちなみに、このドラマのもう一つの楽しみは番組終了後のヤフコメ(Yahooニュースに投稿された一般ユーザーのコメントの通称)。僕以外の人がどういう見方・見立てをしているのか知りたかった。僕がドラマのヤフコメを参照するのは多くは否定的な場合。典型例はNHK朝ドラ「ちむどんどん」。「何だかおかしいぞ朝ドラ!」と思っていたらヤフコメも同様の論調で、「連続テレビドラマだからと言って無理に見なくてもいいよ。」、勇気を与え背中を押してくれた。しかし、こと「アンメット」に関しては同調と共感を求めた。ヤフコメの趨勢も僕と同様で、好意的なものに溢れ、時に思いも寄らない考察や感想に感心することしきり。ドラマを楽しみ、ヤフコメにウキウキした至福の三ヶ月だった。

最終回がすでに終わった現在、今でも時折上がるニュースに寄せられるヤフコメを見てドラマの余韻に浸っている。このドラマを言葉で表現したいけれど、どんな言葉を持ってしても陳腐になってしまう気がする。もちろん、どんなジャンルにも当てはめることが出来ない。「今までにない凄まじいものを見た!これからのドラマ制作の分水嶺になるのでは。」と感じている。医療現場が設定のドラマだが、そこに超絶技巧を持ったカリスマ医師は存在しない。だから、当然のごとく奇跡は起こらない。治療や手術をしても後遺症が残り、亡くなる場合もあることをきっちり描いている。サブタイトル「ある脳外科医の日記」が示すように、淡々と日常が描かれる。たった一人(西島グループ会長)以外、キャラが立つ、ステレオタイプな登場人物はいない。セリフはいたってシンプルで過剰なナレーションがない。奇をてらった演出、せわしいカメラワーク、わざとらしいBGMがない。したがって、ドラマと分かっていても、まるでドキュメンタリーを見ているかのような錯覚に何度も陥った。

長嶋雄一クリニックお問い合わせ

診療科目(内科・消化器科・胃腸科)
診察週

月・火

木・金
奇数週
(第1・3・5週)
8:00 ~ 16:00 8:00 ~ 16:00 8:00 ~ 15:00
偶数週
(第2・4週)
8:00 ~ 12:00
休診日︓第1・3・5週水曜日、第2・4週土曜日/ 祝・日曜日