院長のコラム

「家政婦のミタ」よりも

セカンドバージン

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大災害が頻発した昨年、テレビドラマの世界でも驚異の出来事が起こった。「家政婦のミタ」の最終回の視聴率が40%を超えたそうである。かく言う僕も、その視聴率を支えた一人である。もともと、松嶋菜々子さんは僕の好きな女優の一人であった。日産アベニールだったかのCMで「お・ま・たっ」と登場するシーンに度肝を抜かれた。その後、NHK朝の連続テレビ小説「ひまわり」での弁護士を目指す頑張り屋さんの役どころの印象もあり、以後意識的に出演するドラマを見るようにしていた。

「家政婦のミタ」は松嶋さん主演のドラマであることを知っていたが、開業して以降飲食する機会が多く、見逃すことが多い連続ドラマは見なくなった。友人から勧められ第3話以降HDDに録り貯めていたものを休日に一気に見たところ、当初は陳腐だなと思いつつもだんだん引き込まれていった。清楚で可憐な松嶋さんは何処へやら、特異なシチュエーションに特異なキャラクターの面々に、関西弁でいうところの「ありえへんやろ」の出来事が唐突に起こる。人間関係が希薄化した家族の再生の物語なのに、気分的にはジェットコースターに乗っているような感覚を覚えた。一世を風靡した時期の野島伸司氏の一連の作品で、このような感覚を抱いたことがあることを思い出した。

その余韻も冷めやらないないまま、NHKドラマの「セカンドバージン」を連休中に見た。NHKの従来のドラマとは随分異なることや映画化されたことを聞いていたし、「家政婦のミタ」でお父さん役を演じていた長谷川博己さんが出演していたので、物見遊山気分で再放送を録り貯めていた。
単刀直入に言えば、興味を持って見た「家政婦のミタ」よりも何倍も夢中になった。お金のかけ方が違うと言えば一言で終わりそうだが、素人なりに配役、演出と編集、そして脚本が何よりも優れていると感じた。
配役が絶妙で、俳優が役を演じていることをほとんど感じなかった。ドラマも後半になると、深田恭子演じる鈴木万理江に対してドラマと理解しながらも強い憎しみの感情を覚えた。しかも、どの役柄にも、鈴木万理江でさえも視点を変えれば感情移入出来るのである。人間関係を綿密に描いているドラマではあったが、ドラマに描かれている以外の人間像の想像をかき立てられる余白の大きいドラマだった。
シンガポールや函館でのロケも行われ、スケールの大きいドラマだった。ラッフルズホテルでのシーンが重要なポイントになっていたが、そのホテルは新婚旅行で訪れたこともあり、懐かしさとともに再度訪れてみたいと思わせる異国情緒が画面から放たれていた。何気ない一つ一つのシーンをみてもこだわりを感じ、奇麗で優美な印象的なシーンが多かった。
このドラマの圧巻は、何と言っても大石静さんの脚本だと思う。繊細ながら重厚、たおやかながら骨太、派手さはないが一つ一つの台詞が心に染み入った。アラフォー以上のある程度人生経験を踏んだ人の琴線に響く脚本だと感じた。主人公および主人公を取り囲む人達の再生のドラマという点でも、「家政婦のミタ」以上だった。

年初早々、昨年末の話になった。災害の多かった昨年、国民的ドラマが生まれたのは何か因果関係があるのでは、と考えるのは僕だけだろうか。忘れられない年に思い出のドラマがあったこと、そのドラマ以上に深く心に刻まれるドラマに巡り会えたことを書き残しておきたかった。

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