院長のコラム

「極悪女王」で感じたこと(前編)

2024.10.14

Netflixは、終了した映画やTVドラマをもう一度見直すことができ、オリジナルドラマも「First Love初恋」や「サンクチュアリ-聖域-」、近頃なら「地面師たち」が好評と耳にしていた。けれども、日頃録りだめしているテレビドラマややドキュメンタリー番組を見るのが精一杯。加入しているwow wowも元を取っているかと言われれば微妙。だから、Netflixに加入することを躊躇していた。なのに、いつの間にか我が家にNetflix。ならばと、初Netflixドラマに配信開始されたばかりの「極悪女王」を選んだ。女子プロレスラー・ダンプ松本と言えば、我々の世代にはクラッシュギャルズとともに超ど真ん中。彼女たちが大活躍した80年代は僕が中高生時代。社会のことなど何もわからない、「テレビ画面に映ることがすべて」を信じて疑わなかった頃。それ故、クラッシュギャルズを血祭りにし悪行三昧のダンプ松本はまさに超極悪人だった。あれから四十有余年、当たり前だが僕は大人になっていて、かつてとは異なる視点でドラマを見始めた。感じたことを三つにまとめてみた。

(1)ダンプ誕生秘話を知る
このドラマはジャッキー佐藤をこよなく愛する心優しき少女が、誰もが震撼する極悪レスラーになる物語。松本香が闇落ちしたのか、ダンプ松本に覚醒するのか、アナキン・スカイウォーカーがダース・ヴェイダーになるがごとく過程を理解できた。現在でいうところの、貧困家庭とDV、ルッキズム。周囲からのパワハラ・セクハラ・モラハラ・リスハラ・ジェンダーハラスメントの数々。長与千種との人間関係のほころび。全日本女子プロレス内上層部の人間模様と会社の意向。実話に基づいたフィクションとはいえ、多少の誇張や創作はあったとしてもダンプ誕生秘話に間違いない。当時は知る由もなかった事実は瞠目に値した。ダンプ松本誕生は5話ある3話からだが、ダンプ覚醒までの周辺、ビューティーペア解散からクラッシュギャルズ誕生、ジャガー横田やデビル雅美の存在等、群像を懇切丁寧に描いているから初回から心掴まれ一気見してしまった。

(2)俳優魂
「体を張った演技」という言葉がある。この国では、女優がヌードを披露したとか、濡れ場を演じた場合に用いられることが多い。今回「極悪女王」を見ると、如何にこの言葉が陳腐に使われてきたか理解できた。「体当たり演技」とは、「極悪女王」にレスラー役で出演した全ての女優に捧げられるべき称賛の言葉と思えた。役を演じるため二年間プロレス道場に通い、みっちりとレスラーとしての基礎を叩き込まれ、とともにプロレスラーに見えるよう体重を増やさなければならない。クラッシュギャルズの二人で10Kg以上、ダンプ松本を演じるゆりやんにいたっては40Kgの増量。その体でもってほぼスタントマンなしで演じるから、画面に映るリアリティや迫力は圧倒的。体重増加に筋肉質な体になって今後の女優活動が心配されるところだが、折しもクラッシュギャルズを演じた二人は男性問題で地上波から干されていた。二人の女優魂に感服しつつ、この二人を見られない地上波放送の限界を改めて実感。ちなみに、トレーニングや体重の増量、撮影終了後の減量までNetflixが全面的に支援してくれたそうだ。地上波とは比べ物にならないギャラとバックアップは、俳優という職業の人々の魂に火をきっと付けるに違いない。

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