院長のコラム

「雲の階段」と「半沢直樹」

視聴率って?

マーケティング的には、ゴールデンタイムのドラマのターゲット層は、F1~F2と言われる20~49歳の女性だそうである。
ネットで拾い読みしたところによると、当初「半沢直樹」の目標視聴率は15%程度だったそうだ。男が主役の銀行内部の物語、しかも、一見地味な配役。F1~F2層に迎合しないドラマ作りをしたからだ。
しかし、最終回で40%以上の視聴率を叩きだした。いかにマーケティングというものが当てにならないかよく分かった。優れた原作、分かりやすく痛快な脚本、役者のアップを多用した臨場感あふれる演出。実力演技派の主役に準主役、一癖も二癖もある脇役。ドラマ作りに大切なのは、マーケティングやファッションでなく、ましてやアイドルや有名タレントの出演でもない。今回「半沢直樹」を見て、作り手の強い意思が最も大事だと改めて感じさせられた。

ドラマ「雲の階段」も作り手の意思が十二分に伝わる素晴らしいドラマだった。しかし、残念ながら視聴率はワーストに近いものだった。視聴率だけを見ると「半沢直樹」に完敗だが、僕にとって「雲の階段」は、近年稀な忘れることの出来ないドラマとなった。というのも、どちらも録画しながらオンタイムで見たが、「半沢直樹」の録画は見直したことがない。かたや「雲の階段」はドラマが終わった瞬間に録画を何度も見なおした。両者とも、視聴者に媚びないドラマ作りの姿勢を強く感じさせたが、この差は一体何だろう。

両者とも人間模様を扱っているが、両者の違いを分かりやすく例えると「半沢直樹」はクールミント味のガム、「雲の階段」はスルメイカといったところだろうか。
「半沢直樹」は勧善懲悪ものである。登場人物は善人と悪人に大別され、正義が悪人を懲らしめる瞬間に快感を覚えることが多い。しかし、この痛快さは、単純で分かりやすいが故に非常に刹那的である。次に見ると爽快感が弱まる。
一方、「雲の階段」は、偽医者に祭り上げられる男の成長と彼に翻弄される周囲の物語である。主人公を含めてどの登場人物も善悪を内包している。そのため、どの登場人物にも自分自身を投影することが出来る。自分がその立場だったらどうするだろうかを考えながら、何度もドラマを見直した。書きたいことは尽きない。確かに視聴率は全く振るわなかったが、僕の心に深く刻み込まれた名作であった。

連続ドラマを見なくなって久しい昨今だったが、2013年は、「あまちゃん」を含めてドラマ豊作の年だったように思う。何れもドラマ自身の面白さはもちろんのこと、作り手の意気込みが画面からひしひし伝わってきた。
僕は自分のクリニックを設立する時、マーケティングなど一切考えなかった。考えていたら、周りに住宅地のない梅畑に囲まれた資材置き場にクリニックを建てなかった。患者中心のクリニックを目指したが、残念ながら不特定多数の患者を一様に満足させる診療所のイメージを想像できなかった。したがって、自分自身が行きたくなるクリニックを目指した。
今年の素晴らしいドラマと同様、我々のクリニックも患者さんの心に響いているだろうか、ふと浮かんだ。

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