「LOUIS VITTON &」展
「ルイ・ヴィトンと言えばバッグ!」、小洒落た人が持つバッグ、僕のイメージもそうだ。LVマークは言うまでもなく、「モノグラム」や「ダミエ」模様を見れば誰もがひと目見てそれと分かる。けれども、それがトート、ショルダー、ハンドバックとは分かっても、品名まではよほどの通しか分からない。その点、エルメスは異質というか異次元である。ロレックスの「デイトナ」しかり、エルメスという枕詞がなくても「バーキン」、「ケリー」で通じる。商品名がブランドを象徴している。バーキンもケリーも、ずば抜けた価格にも関わらず正規店で出会うことはまずない。飽きのこない普遍なデザインと最高品質の革、まさに一生モノであり家宝である。このような観点で見れば、ルイ・ヴィトンの一生モノ、真骨頂はバッグではなくトランクと僕は考えている。
この度、緊急事態宣言下の東京に敢えてエキシビション「LOUIS VITTON &」展を訪れたのには理由がある。エキシビションは事前予約さえすれば、原則誰でも入場することが出来る。このイベントにはもう一つの側面があり、セッションと称する顧客に向けた内覧会も設営されていた。二階には、家具を中心とする「オブジェ・ノマド コレクション」や自転車、テーブルゲームにDJセット、普段見ることの出来ないトランクが展示されていた。自分が顧客なのかどうか、どうして招待されたのかよく分からない。担当者がいて、その担当者から声をかけてもらえただけなのだ。人気you tuberでもない僕に、目が点になるような高額商品など買えるはずがない。自分の目の保養と後学のため、それとどうしても実物を見ておきたかった。
一生モノとして、ルイ・ヴィトンのウォッチケース「コフレ8モントル」をいつか手に入れたいと思っている。何度かサンプルを遠目に見る機会はあった。けれども、馴染みのないショップで、手にとってましてや時計を収める行為まですることはためらわれた。今回、実物をじっくり見ることが出来た。時計用のクッションに自分の時計を巻きつけ、収納具合まで確認することが出来た。外装はモノグラム、ライニングはブルーにしたいと思っている。オーダーしてから約半年後の納品とのこと。我々夫婦の間にはルールがある。値が張るものを購入する際は順番を守る、だ。今回は僕の順番ではなかったため、来年以降に断念せざるを得ない。今回の上京のもう一つの目的は、僕同様妻も同じであった。気になっていたアクセサリーボックスや化粧ケースの実物を見ることだった。特に、日本限定の十一代目市川海老蔵が監修したビューティー・ケース「ポワット・ファルマシー」の実物を間近で見ることの出来るまたとない機会であった。確かに、ルイ・ヴィトンと成田屋の強い信頼関係を伺わせる一品に違いなかった。しかし、通常の倍近い価格設定にはため息しか出なかった。それでも売り切れ寸前とのことだった。貴重な経験をさせてもらった。
「で、結局何が言いたいの?」、いつものように締めくくることにする。いつの間にか僕も、父が亡くなった年齢に近づこうとしている。このコラムは僕の生前日記でもある。子供達に残しておきたい自分の言葉を折りに触れ記録している、つもりだ。最近、子供達やその次の世代に何を残せるだろうか、考えることが多くなった。借金は残さない、しかしお金も残すつもりはない。両親が生きた証として、我々の思いのつまったモノを残せるように考えている。その意味では、「いいものはいい!」、「LOUIS VITTON &」展で改めて学ばせてもらった。