院長のコラム

いきがる

ユウイチいきがる  
10-8-8-1

いきがると言う言葉は、二つの漢字を用いる場合がある。一つは、「粋がる」、自分一人で粋だと思う、強がる、虚勢を張るなどの意味で用いるようである。もう一つは、「意気がる」、空威張り、突っ張るである。ほぼ同じような意味なのだろうが、漢字だけを見ると、前者は風流で軽い印象、後者には強い意志を感じる。

この春、友人を介して着物店の社長を紹介してもらった。紹介されたといっても、二人で食事しているところにたまたま自分が出くわしただけである。御年70くらいの方で、確かベージュだったか素材の良さそうなスーツに、素材の良さそうなシャツにネクタイ。なぜそう思ったかというと、サラリーマンスーツのように何度も着られるような堅固さがない。動くとそこかしこに襞ができるのだが、すぐに元に戻るし軽やかな風合いだったからである。おそらくシルク素材が入っていたのでは、と思う。そんな格好でたばこをくゆらし、おいしいお酒と会話を楽しむ、まさに粋な人であった。こちらも、長髪にヨウジヤマモトを着ているので、「芸術家さんですか?」といった感じで以前から知っているかのように話が弾んだ。両親から形見分けでもらった着物のことが以前から気になっていたし、いつか公式の場には着物を着てみたいという気持ちがあったので、色々と質問もしてみた。その時は顔合わせ程度で終わった。
2回目お会いした時は、夏のフェアーが開催されるので帰省した時であった(この社長は神戸在住)。この間社長さんと話が合ったようだから、と友人がわざわざ電話をくれた。いつもの店のいつものカウンターで、前回より話が一歩進んで「いつもよりか安く提供出来るので、一度お店を覗いて下さい、先生なら結城紬の黒なんかいいですよ。」と言われ、その友人も「結城の黒なんかあるのですか、いいですね。」という会話を聞くにつけ、着物については全く分からなかったが、何となく「結城」「黒」が凄いのかな、と翌日物見遊山でお店を訪ねてみた。

お店を訪ね、色々な説明を受け、色々な商品を見せていただいて、自宅に帰ってネットで調べて、思案に思案を重ねて、最終的に「黄八丈」という反物で着物を作ることにした。この冬に向けて現在準備中である。その前に着物に親しむためと、夏の遊び着を仕立てた。これがとてもおもしろいもので、真っ黒な生地にドクロの紋様がそこここに入っている。まさに髑髏(しゃれこうべ)である。今週それを着て街に出かけたが、怪訝そうに見られ周囲の視線が痛かった。着物を着るという粋、周囲の視線に対抗する意気、服を着るという何気ない行為が如何に自分という存在を誇示しているのかが理解出来た。
今年の目標、着物を着こなせるようになること、茶道を習うこと、もっともっといきがってみようと思う。

10-8-8-2

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