院長のコラム

いざ!パテックフィリップ

「ランボルギーニやパテックフィリップって、あんた景気のええ話ばっかりするな。大分儲かってるんとちゃうか?」駄目だしが出ることは重々承知している。言い訳をさせてもらうなら、どれもこれも数年以上も前から種を蒔いていたことである。いつ納車、いつ納品されるかなんて全く分からず気長に待っていた。それが今年、令和元年に一気に花開いた。パテックフィリップも、偶然の重なりで年末に納品になった。生前日記の一貫として今回の経過を仔細に記しておく。

調べれば調べるほどパテックフィリップの奥深さを知った。約百八十年前の創業から現代に至るまで家族経営を貫いている。したがって、株主やグループ会社の意向に沿うことなく流行にも左右されることなく、「世界最高の時計を作る」という企業理念を貫き通している。 僕は基本的に、一年三百六十五日、春夏秋冬いつでも腕時計を使いたいと思っている。なので、どちらかと言えばステンレスベルトを好む傾向がある。パテックフィリップでステンレスベルトと言えば、かの有名な「ノーチラス」である。「廃盤になった5960/1A-010を諦めてノーチラスにでもしとこうか。」、直ぐに超甘ちゃんの考えだったことをネットサーフィンして分かった。ロレックスのデイトナ並み、もしくはそれ以上のプレミアがついた価格で売られていた。デイトナならクロノグラフ機構があるのでまだ理解できるが、5711/1Aというシンプルな三針モデルがである。しかも、倍の価格で売られていると言っても、百三十万と三百万の倍では金額が相当異なる。デイトナのステンレスモデルが入手困難なことは一般でもよく知られていることだが、斯界ではとんでもないことが起こっていた。

「ネット情報を信じるな!」、日常生活に根付いて日々を過ごしていたらそんなこと常識である。半信半疑ながら確かめることにした。百貨店に再度問い合わせてみた。「すいません。前回(5960/1A-010で)問い合わせたものですが、5711/1Aが欲しいのですが。」敢えて型番で聞いてみた。電話の対応は心がこもっているものの、最終的に事務的で塩対応だった。「現時点で十人以上待っています。毎日こんな電話が来るので、申し訳ありませんが今は予約受け付けをしていない状況です。」と電話担当者。「了解しました。ところで、(5711/1Aは)年に何本くらい入ってくるんですか?」とほぼ詰問状態に対して、「そうですね、年に一本入るかどうかです。」とやんわり。たかだか三針のステンレスベルトの腕時計を定価で購入するのに、最短、最低でも十年以上待つらしい。「(アントニオ猪木調で)この野郎!バカ野郎!俺はもう死んでるやんか!!」内心叫びながら、この年齢になってようやくアダム・スミスの市場経済理論をこの身で知った。

僕にはもう時間がない。両親とも短命である。母の年齢を超えることはできたが、父の寿命を超える確証はどこにもない。十年なんてとてもじゃないが待てない。と言っても、プレミア価格で買おうなんて気は微塵もない。それでも、諦めきれなかった。アクアノートまで含めた5711/1A以外の型番をことごとく投げかけてみた。「はい、それも十人近い待ちですね。」「はい、それは七人待ちですね。」、パテックフィリップのラグジュアリースポーツラインの人気を思い知らされた。すると、突然「あっ、それは今のところ、長嶋さんで三番目ですね。」との答え。三年なら待てるし、この間にある程度の貯金はできる。「では、それを予約リストに入れてもらえませんか。」とすかさず返事をした。

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