うんざりする日々
ロシアがウクライナに侵攻を開始して10日弱になる。当初、キーフ(キエフ)陥落は2、3日、と米国は見込んでいたようだ。ところが、ウクライナ軍およびウクライナ国民の激しい抵抗で、現時点では首の皮一枚で首都陥落は免れている。そうは言っても、こうしている間もロシア軍の侵攻は止むことなく、ウクライナに多数の死傷者が出ていることは事実である。衝撃の映像やニュースが留まることなく飛び込んでくる。それを見ながら、「ロシア軍よ、反乱してくれ!」、「誰かプーチンを暗殺してくれ!」と僕は夢想する。専制国家が狂人の意のままに他国を侵略し蹂躙する様を、まざまざと見せつけられている。「何とかならないものか。」、春なのに溜息しか出てこない。
2022年2月、想定外の事象が起こった。日教組が幅を利かせていた僕らが義務教育時代、教師と称する人達は、北朝鮮は楽園、日本には素晴らしい憲法があるから世界の人々から称賛されている、と弁舌をふるっていた。小学生ながら、「そんなに素晴らしい国があるなら、先生が行けば。」と思ったものである。年齢を経て、この国の現憲法制定の経緯を調べた。占領下当時、米国左派が中心となってまとめられた現憲法、占領下においては致し方なかったとしても、80年弱経った今も、聖書のように崇め奉られ、論議することさえタブーな風潮をもたらしてきたものは一体何だろうか。平和が脅かされている現在だからこそ、平和について真剣に考えなければならない。我々の周辺には、核保有をした常任理事国が2国もある。しかも、連日打ち上げ花火を上げる北朝鮮と彼の国に秋波を送る大韓民国。我々日本人を守るものは何なのだろうか。「天は自ら助くる者を助く」、この言葉が胸を打つ。
2022年2月、想定外の事象が起こった。安全保障理事会常任国のロシアが世界の安全を率先して脅かしているのだ。謂わば、警察署署長が民家に押し入り強奪する、町内会会長が暴力団幹部のようなものだ。治安なんて何処吹く風である。国連および国連安全保障理事会の存在は今や風前の灯火である。ロシア非難決議を多数で可決しても、最も強い言葉で遺憾の意を表しても、狂人相手には何も通用しない。刃物を持った気狂いに、「話をして解決しよう。」、「あなたの行動はイカン!」と説得しても何ら解決にならない。警察に介入してもらわなければ無理だ。案の定、国連決議はロシアからスルーされ、攻撃は更にエスカレートしている。と言って、「目には目を歯には歯を」では核兵器戦争必発である。他力本願ながら、ロシア政権内部の瓦解を待つほかないのが現状である。
世界秩序は変わりつつある。トランプ政権下でよく用いられていた「国民の分断」という言葉、国民どころか今や世界が分断されつつある。民主主義国家と専制主義国家、新たな冷戦時代に突入しようとしている。歴史は繰り返す、世界は再び同じ過ちを繰り返す道を歩み始めたのだろうか。それとも、この悲劇を乗り越えて新たな枠組みを作ることができるのだろうか。新型コロナ禍、安保理常任国ロシアによるウクライナ侵攻、我々は歴史の転換点に立っている。