さようなら、8028ファミリーマート
家から数分のところにコンビニのファミリーマート(ファミマ)がある。「酒が、つまみがなくなった!」、「(ひとしきり飲んで無性に)スイーツが食べたくなった!!」と言えば、ひとっ走りすればいい。我が家の第二冷蔵庫のようなもので、まさに「あなたと、コンビに、ファミリーマート」である。
今回は、コンビニの話ではなく株式投資の話である。自身の投資話をすると長くなるので手短に語る。2000年初頭、ITバブルがあった。悪銭身につかずとはよく言ったものである。株式相場は投資初心者に微塵の優しさを見せることもなく、初心(うぶ)な僕は身ぐるみ剥がされてしまった。それから八年後、独立開業して金銭的余裕も出てきたため二度目の株式投資に挑んだ。前回の教訓を活かし、どうにかこうにか損をすることはなかった。けれども、日々の精神的苦悩と苦痛、株価に左右される精神状態、それに比較して得られる興奮や金銭を考えれば全く割に合わない。何よりも、相場が自分の思うように動かない。米国の指数にとにかく翻弄されるのだ。「米国がくしゃみをすると、日本が風邪をひく」とはよく言ったものだ。自分の努力と全く関係のないものに支配されていることに再び気づき、株式投資には金輪際手出ししないことを誓った。ところがだ、新型コロナ感染拡大により株価は大きく下がった。封印したはずの投資意欲がむくむく湧き上がってきた。
しばらく投資から離れていたので、どの銘柄を購入するか迷った。身近でかつ株主優待も考慮して、㈱ファミリーマートをポートフォリオの一つに組み入れることにした。流れを見ていて割安と考えられた五月下旬に購入した株価は、一旦二百円ほど上昇したが、その後他を余所目にどんどん下がって行き購入価格より二百円も低下した。損切りすべきか思案していた矢先の七月八日、驚くべきことが起こった。何と、伊藤忠商事が傘下のファミマに対し、株式の非公開化を目的にTOB(株式の公開買付け)を実施することが発表された。七月八日のファミマの終値1754円に対して、TOB価格は三割ほどのプレミアムをのせた2300円とされた。翌日には1754円だった株価がストップ高の2154円を記録し、さらに七月十六日にはTOB価格を大きく上回る2473円まで上がった。持ち株がTOBされるのはもちろん、ストップ高を経験したのも人生初めてである。しばらく株価の動向を眺めていたが、一段高する気配がなかったので、つい先日2358円で売却した。
僕のことなので景気のいい話をするつもりはない。ファミマ株の売却でどうにか利益は出たが、七月は六月と打って変わって大きな含み損を抱えることになった。相変わらず米国に振り回されている。株価指数や大統領選、それにCOVID-19感染者数。最近では米中対立激化、周囲環境のネガティブな情報に振り回された七月になった。含み損を抱えて肩が凝ったせいか、夜間に首が回らない。ところで、投資のことが分からない人に少しだけ説明してみようと思う。含み損っていうのは真の意味で損をしている訳ではない。例えば、百円の株式を千株持っていたとしよう。株価が五十円になれば、その日は五万円の損になる。ところが、翌日百五十円になれば五万円の益になる。何でもそうだが、買って売らなければ利益、もしくは損が確定しない。買ってはいるが売却をしていないので、実質的には損をしていない。とは言え、画面上の含み損を見る度に、神様に祈る日々である、「神様、日経平均が早く二万五千円を越えるように!」。