院長のコラム

それでも医学生か!(コロナ禍の中で)

四月第三週目は三つの予約があった。一つは火曜日の接待、二つ目は木曜日の新規開業店のプレ・イベント、最後が土曜日のフレンチディナーである。三つともことごとくキャンセルになった。一つ目は満足する食材が確保出来ないため、二つ目は開店自体が延期されたため、三つ目は自粛休業のためである。予約した時点で営業されるかどうか半信半疑だったが、四月七日の政府の緊急事態宣言を機に潮目が変わったように感じる。自分自身を守るため、家族を守るため、地域を守るため、ひいては我が国を守るため、まさに堅忍不抜の時である。

そんな中、突如としてラインに知人から連絡が入ってきた。以下同文。
情報共有です、
新型コロナウィルスは、感染されても何日も症状が出ない場合があります。では、自身が感染されたかどうか、どう分かるのでしょう。咳と熱の症状が出て、病院に行った時は大体50%は肺が繊維化されていると考えられます。即ち、症状が出て受診すると遅れるケースが多いのです。
台湾の専門家は、毎朝、自身でチェックできる簡単な診療を提示してます。
深く息を吸って、10秒我慢する。咳が出たり、息切れる等、すごく不便なことがなければ、肺が繊維症状になってない、即ち、感染されてないということです。(注:新型コロナで悪化すると、肺胞の組織が繊維化して硬くなっていくようです。)現在、既に大変な事態になってるので、毎朝、良い空気を吸いながら、自己診断をしてみてください。また、日本のお医者さんは、とても有効なアドバイスをしてくれています。皆んな、常に、口と喉を濡らして、絶対に乾燥した状態におかないこと。15分毎に水を一口飲むのが良いそうです。ウィルスが口に入ったとしても、水とか他の飲み物によって、食道から胃に入ってしまえば、胃酸によりウィルスは死んでしまう。水分をよく取らない場合、ウィルスが気管支から肺に侵入してしまうので、とても危ないのです。
出来るだけ沢山の人に拡散して下さい。 日赤医療センタードクターから

僕は、ヤブという枕詞がつく医者だ。この文面をさっと読んで眉唾の内容もあったけれども、要は、「ちょっとやそっとの症状で医療機関を受診せず、冷静になりなさい。」「日本の医療崩壊を招かないよう自助努力をしましょう。」と受け止めた。ちょうどその頃、大阪在住の長女から「しんどい疲れる。微熱が続く。」と、妻に連日頻回に電話が入ってきていた(現在は元気)。こちらが色々指図しても全く言うことを聞かないため、件のラインを家族のグループラインに転送した。ところが、「ガセ」「ニセメール」と非難轟々浴びせられた。こちとら老婆心で注意喚起したつもりが、余計なおせっかい扱いである。「なんな、自分らそれでも医学生か!おかしいところは多々あるけれども、せっかく情報提供してくれているんやで。」怒りの返信をした。

しばらくして、長男から至って冷静な返事が来た。CNNのネットニュースで、医学的根拠のない、もしくは乏しい内容ということで取り上げられている。尾ひれはひれがついて日赤医療センタードクターとなっているけれども、元々は日赤総合病院医師の発信となっている。ところが、日赤総合病院なんてどこにもないことを教えてくれた。最後に、「こういうのをチェーンメールと言うこと」、「僕(父)がこの情報を知人に転送したら、ガセネタの流布に医師として加担することになるので気を付けるように。」と付け加えられていた。自分が納得出来ないことは絶対に信じない。なので、家族以外に転送するつもりはなかったが、今回のコロナ禍の中で子供から教わる羽目になった。「持つべきものは医学生の子供である、投資した甲斐があったというものだ。」、、、忸怩たる思いで一杯である。

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