院長のコラム

なんちゃってクルマ評論家(ホンダ・NSX編)

「ウルス、ブラボー!」、「フェラーリ、マンセー!」の流れの中で誤解されるかもしれないが、イタリアン・スーパーカーはつい最近まで全く興味がなかった。ましてや、乗ることなんて予想だにしなかった。むしろ、外国車ならイギリス車が性分に合っていると思っていた。実際、レンジローバー・イヴォークと同スポーツに以前乗っていた。この流れに乗って、いつかはアストンマーチンと脳裏をよぎったこともあった。なので、レクサスを乗り継いでいるからと言ってトヨタ派ではない。「じゃ、何派?」と問われれば、トヨタ55ホンダ45と言ったところか。かつて、父にビガー、妻にCR-Xを勧め、自身もエディックス、NSXのオーナーで、現在もS660を乗り継いでいる。F1全盛期のホンダのイメージを引きずっているだけに、現在のホンダに対しては至極残念だ。

夢を叶えたにも関わらず、2年数千キロで手放したホンダ・NSX。フェラーリ・ローマと比較すると、その理由がよく分かった。運転していて正直楽しくなかった。車高が低くリフターが備わっていないため、「(下を)こするんじゃないか?」常に段差に気を使った。前後左右の見切りも悪く、曲がるときや駐車の切り返しに一苦労した。一言で言うなら、日常使い出来ないクルマだった。エンジンを始動すれば、それなりの音は醸し出すけれども、ハイブリッドのためしばらくすれば静かになる。運転中、エンジン音はそこそこ、ローマと較べてサスペンションはしなやかだったが高揚感に全く繋がらなかった。室内も、スポーティなレジェンドと言った感じでチープかつ無機質な印象だった。しかも、バッグを置く程度のスペースもなく、二人で乗る時には同乗者の足元もしくは膝上に荷物をお願いしなければならない。メーターパネルもローマ同様液晶だが、ギミックさはフェラーリに遠く及ばない。先進技術をてんこ盛りにしたホンダが真剣に取り組んだスーパーカーという事は理解できる。プロダクトとして高性能であることも確かだ。けれども、優秀さと「Fun to drive」とは別物である。所有していた時もそうだったが、手放した後もNSXの印象はほとんど残っていない。ローマに乗って、ようやく印象の薄さの原因が分かった。

残念ながら、NSXは今年生産を終えた。それはすなわち、ホンダのスーパーカー生産の終焉をも意味する。継続は力なり、日産GT−Rのように国内生産で少量でも作り続けていけば、ホンダのブランドイメージを維持出来たのにと悔やまれる。マーケティングを重要視してアメリカ生産にし、マーケティングを睨んで価格設定を行い、そのマーケティングに破れたNSXは、日本のスーパーカー生産の限界を示しているように思う。「ブランドには歴史と伝統が絶対だ!」それはクルマだけではなく、時計、宝飾品、バッグ、洋服、いわゆる趣味嗜好品全般に言えることである。そういう意味では、日本人としてNissan GT-Rには本当に頑張ってもらいたい。それはレクサスも同様で、LFA IIが噂される昨今、今度は限定生産車ではなく息の長い味わいのあるクルマ作りに徹して欲しいものである。

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