院長のコラム

ウクライナ軍事侵攻

2022.02.27

平和、自由、希望、未来に続くはずの明るい言葉が今はとても陳腐に響く。2月24日、ロシアがウクライナに侵攻した。今月になって、ウクライナ周辺の状況がきな臭いことが連日報道されていた。冬季オリンピックが終了する頃には、侵攻することは明らか、と米国が注意喚起していた。ニュースを見ながら妻に、「まさかぁ、そんなこと絶対にできる訳ないよ。」と声高に話していた僕の予想は、単なる希望的観測に過ぎなかった。

僕は軍事・外交に関しては全くの素人である。しかし、規模は小さいとは言え一国一城の主である、医療法人のトップとして賢明で冷静な判断を常に求められる。私的観点に立てば、ウクライナ周辺の軍事演習はロシア得意の西側への恫喝で、プーチン大統領はウクライナに侵攻することのメリットとデメリットを考慮して最終的に判断するものと考えていた。というのも、戦力は米国に続く世界2位だが、国力は韓国にも劣る世界11位である。派兵により膨大な出費がかさむ。加えて、世界的孤立と経済制裁で輸出入の制限および外貨獲得が困難になる。判断を見誤れば国家存亡の危機に見舞われる。「そんな愚かな選択を本当にするのか?」、僕は高をくくっていた。けれども、現実には実行された。プーチン大統領は、敢えて暗愚で感情的な選択をした。その根底にあるものは一体何だろうか。

今回の出来事は、我々日本人にとって対岸の火事ではない。ウクライナがどの程度抵抗できるか、世界がどのような対応をとるか、どこの国よりも注視しているのはきっと中国に違いない。台湾侵攻を虎視眈々と画策している彼の国にとっては、またとないモデルケースである。ウクライナ有事の結果次第では、中国が台湾侵攻に踏み切るかもしれない。そうなれば、次は尖閣諸島を狙ってくるのは想像に難くない。北京五輪終了まもなく侵攻したところをみると、五輪開催直前に開催された中露首脳会談では、ロシアがウクライナに侵攻することに同意を求め中国が了承した、と見るのは穿った見方だろうか。このような状況の中、あいも変わらず遺憾砲を連発するのみで、ウクライナ支援やロシア制裁に率先して踏み込めない我が国の現状にはうんざりしてしまう。我が国の防衛論議が高まることを願う。

ところで、こういう時こそ憲法九条至上主義者に問いたい。ウクライナがロシアに侵攻されたのは平和憲法がなかったからなのか。どうすれば、ロシアのようなならず者国家と対峙していけるのか。日本が他国から侵攻されたら、どうすればいいのか教えてほしい。平和ボケした生温い国家で自国を貶める行為はもう止めてもらいたいものだ。兎にも角にも、ウクライナに早く平和が訪れることを祈る。

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