院長のコラム

クモチュウ(「雲の階段」中毒)

はまってしまいました。

僕の友人に不動産会社の専務がいる。この人は根っからのドラマフリークで、初回ドラマを取り敢えず全部録画して、全部見て面白くなければ次回から録画予約しないそうだ。
ある夜、寝酒に一杯と電話がかかって来た。21時くらいなので、僕はヘベレケ、彼は宵の口である。1時間くらい飲んで専務もほろ酔い加減になった頃突然、「ところで、先生よう、今お勧めのドラマがあるんやけど、絶対見てみ!」ときた。「それって『雲の階段』とちゃうん?」と僕の返事。しばし沈黙、二人じっと見つめ合った後、互いに手に手を取り合って握手するしか他になかった。

三位一体と言う言葉がある。最近ならアベノミクスの三本の矢がある。なぜ三なのかよく分からないが、トライアングルという打楽器があるようにバランスがいいのだろう。
ドラマにおける三つの因子は、「雲の階段」で理解できたような気がする。当たり前かもしれないが、原作・脚本演出・俳優、この三本柱が基本だ。例えるならワインのようなものか。最高品質の葡萄(原作)を使っても、醸造(脚本演出)が良くなければ台無しだ。たとえ最高のワインが出来たとしても、どのように供される(演じる)かが重要である。
心にズシンと響くセリフ、見ている人間の想像をかきたてるセリフ、余韻を含んだ叙情的なセリフ、素人なりに脚本の良さを意識している。ドラマのテンポもよく、展開が早くて飽きさせない。番組の終わり方も、次週どうなるのだろうと期待と不安をいい意味で煽る連続ドラマならである。毎回意表をつかれるのだが、第5話をソファにもたれかかって飲みながら見ていて最後、明子さんの再登場に驚きと恐怖と真打登場!、思わず口に含んでいたものを吹き出してしまった。

長谷川博己さんの演技で語られることの多いドラマだが、脇役も、島の診療所・田坂病院の院長、三郎の母を始めとして、美琴島・田坂病院の事務長や看護師長、かつての三郎役、どんな些細な役一つとっても違和感なくはまっている。
中でも再認識したのが、稲森いずみさんである。僕にはトレンディ・ドラマに出ていた頃のイメージしかなかったが、今回の鈴木明子役は、彼女が適役と思うのは僕だけだろうか、透明感と芯の強さ、健気さと儚さ、天使と悪魔、相反する二面性を絶妙に演じているように思う。年をとること、即ち老いて行くこと枯れていくこと、女優にとって否定的に考えられがちだが、彼女にいい歳の取り方を感じたし、役者としての幅が広がったように思う。今後がますます楽しみな女優さんである。

ここ数週間、木曜日夜に、専務と「雲の階段」を語る会を開催している。セリフやそれぞれのシーン、今後の展開についてああでもないこうでもないと、「雲の階段」を酒の肴に中年男二人で飲んでいる。今週は二人会員が増え、むさ苦しい男四人、居酒屋で飲んだ。周りの人達はよもや、男四人がドラマについて語るために集まっているとは想像していなかっただろう。
ふと考えた、ドラマを見てハラハラドキドキ一喜一憂して、翌日にそのドラマの感想を語り合う、いつまで、こんな素敵な日々が続くのだろうと。続きを見たいけれども、永遠の命がないように永遠に続くドラマなどない。回を追うごとに終焉に向かっている、素晴らしい日々が刻一刻と終わりに近付いている・・・・。
このドラマが終わるとともに、トキメキ中年男二人は、いつものさびしんぼうに戻るのだろう。素晴らしいドラマに出会えたことに感謝、残された回をひたすら享受しようと思う。

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