コーネリアンタウラスのバッグ
バッグにはファッションと同じように気をつけている。ヨウジヤマモトの服は黒がメイン。だけども、見る人が見ればその存在感は一目瞭然。故に、バッグにも服に負けないくらいの輝きが求められる。したがって、買い物時のボディバッグやショルダーバッグそれにトートバッグ、旅行用のボストンバッグはラグジュアリーブランドのものを用いている。そうすれば、一流レストランや一流ホテルを訪れてもたじろくことはない。むしろ、そのような場では好意的に受け取られ、対応がワンランクアップするような印象を持っている。「人を見た目で判断するな」という言葉があるけれども、残念ながらリアル社会では「中身を見る前に外見で判断されている」のが現実である。
根が貧乏性なので、数十万もするハイブランドのバッグはハレの日用で、日常使いするバッグはヨウジヤマモトのノベルティでもらった革のトートバッグをずっと使っていた。長年ぞんざいに扱っていたため、いよいよ持ち手が裂けてきた。どうしようか思案していた矢先、お世話になっている時計店からタイミングよくバッグブランドのポップアップストアの案内が届いた。ブランド名は「コーネリアンタウラス」、メイド・イン・ジャパンにこだわり、デザイナーの唯一無二のオリジナリティを追求した神戸発のバッグブランドだそうだ。レクサスRXの見積もりついでに、時計店に立ち寄ることにした。
種々のバッグが置かれたコーナーには、一見して独創性溢れるバッグが飾られていた。革質も革本来の表情がよく出た厚く無骨な印象、どれもこれも購入意欲を掻き立てた。制約を課さないと収集がつかなくなる気がしたため、今回の目的は日常使いできるトートバッグと自身に強く言い聞かせた。そうしたら案外、選択出来る種類は限られた。更に、A4のファイル、場合によってはパソコンが収納できる程度の大きさと決めれば、非常にシンプルなものか外ポケットがついたパッチワーク調のものか、選択は二つに一つ。何も考えずデザイン性で後者に決めた。革の色も4種類ほどからチョイスでき、今回はあえてキャメルカラーを選んだ。黒い服との対比、および色調の経年変化を楽しめそうに感じたから。基本的に受注生産だが、運良く在庫があり一週間後の納品となった。
納品されて数週間、使用した感想は思いの外、いや想定以上の使い心地。バッグはやはり機能性、と感じたことが三点。一つ目は、購入時ほとんど気にしていなかった間口のファスナー。このお陰で、中身が見られず、しかもこぼれ落ちしない。二つ目はデザインと考えていた外に設けられた二つのポケット。携帯や自宅の鍵を探ることなくすっと取り出せる。最後にデザインが施された重厚な持ち手。これなら裂けることはきっとないだろう。時計店との付き合いだけを頼りに何気なく購入したバッグに、かばん本来の真髄を見た。このブランドで、日常使いできるバッグがもう一つ欲しくなった。次は持ち手が長いショルダーバッグで素材はクロコダイル、なんてね。