院長のコラム

ゴシンキさん

ご当地用語?

コラムの内容と関係のない写真です。
馴染みの店で買ったこの秋冬の商品です。

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この地域独特の風習、特有の言葉なのだろうか、居酒屋に行くと店員さんに「ゴシンキさん、3人でーす。」と大きな声とともに席に通される。確かめた事はないが、おそらく「ご新規さん」と考えているので、言われる度に「この店に何度も来ているよ、ちぇっ!」と心の中で舌打ちしながら不愉快な気分になっていた。しかし、初めて行く店なのに予約をしていけば、ご新規さんでもゴシンキさんと呼ばれることはなかった。最近ようやく自分なりに理解できた、「ゴシンキさん」とは予約をしていない客だということを。
以来、予定の分かっている食事会は予約をするようにしている。そうすれば、「ゴシンキさん」と呼ばれることはなくなった。しかも、顔を覚えられやすくなった。次に友人の名前で予約しても、顔を見て「いつもありがとうございます。」と声をかけてくれる。

以上は飲食店の話だが、医療における「ご新規さん」はどうだろうか。
この業界は非常に特殊で、通常のサービス産業と異なりサービスを提供する方とされる方の立場が逆転している。それを象徴する言葉に「3時間待ちの3分診療」がある。行列の出来るラーメン屋でも、ディズニーランドの人気の乗り物でも、3時間待って3分で終わるようなことはない。そんなことをすれば、クレームの嵐である。しかし、それが許される、というか許してもらっているのが医療業界である。基幹病院では、開業医からの紹介に加えて患者の大病院志向のため、患者が集まり過ぎるきらいがある。したがって、多少の待ち時間は仕方がないと思っている。
しかし、聞くところによると、開業医でも2時間以上待たされる診療所があるそうだ。その診療所は受付順なので、常連患者さんは朝早く診察券だけを出して一旦自宅に帰り、自分の番になる頃に再度出直してくる。したがって、初めて受診するご新規さんは、見かけ上後から来る患者さんにどんどん先を越され、どれくらい待つか教えられないまま不安なままひたすら待つそうだ。

翻って当院ではいかに対応しているかといえば、自分がされて嫌な事を他人に強いない、が原則である。すなわち、極力待ち時間を作らないようにしている。今日出来る内視鏡検査は今日中に行っている。遠方から来られる方の場合、来た日に大腸内視鏡検査を行い診断し、内視鏡治療可能なポリープはその日に切除する。結果説明は電話で行うので、検査予約・検査・内視鏡治療・結果説明と下手をすれば最低でも4日受診しなければならないところを1日の来院で済む。
かかりつけの患者さんは、基本的に内視鏡検査が手薄な時間に予約している。電話予約が可能なので、時間さえ折り合えばご新規さんの風邪も診ている。難しいのは、予約なしの急性胃腸炎や急性上気道炎の患者さんである。検査が立て込んでいない時はすぐに診察するように努めているが、余裕のない時は、診察まで30分から1時間近く待ってもらう旨をスタッフに説明してもらうと、大抵納得して別の診療所に行くようだ。

それぞれの病院、診療所に事情があるので、正しい患者の待たせ方というものはない。ただし、経験上から言えることは、患者を待たせているという認識は常に持っておくべきである。本来は、待ってでもこの先生に診てもらいたい、という医師になるべきなのだろうけれど。

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