院長のコラム

サヨウナラ、ギョウレツ

2009.12.31

2009年を振り返って

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今年の年始に、今年は飛躍の年です、さらに検査件数が増えるよう、ひいては地域医療に貢献できるよう頑張ります、と誓いを述べたコラムを書きました。今、粉雪舞い散る大晦日に、こうしてPCに向かって振り返ると感慨深いものがあります。今年は、ささやかながら自信が持てるようになった、自分の信念を貫き通すことの勇気を育めた1年になりました。

この地域には自他ともに認める行列の出来る診療所があります。自ら認めるというのも不思議な話ですが、その先生が公の場に寄稿文を寄せていたのをひょんなことから見る機会を得ました。公表されている文章なので引用したいところですが、承諾をとっていないので止めておきます。その文章には、年間検査件数やレセプト枚数(イコール患者数)がこと細かに書かれ、診療所を開けると行列が出来ているとか、初診患者さんなら2時間以上待たせる等々、とにかく文章の端々に忙しさがぎっしり散りばめられていました。年初にその文章を読んだ僕は愕然としました。流行っている診療所はこれだけのレセプト枚数をこなして、朝早くから夜遅くまで激務をこなさなければならないのだ。一方、当クリニックはといえば、レセプト枚数はもちろん遥かに及ばないし、クリニックに行列が出来たのはクリニックに車が突っ込んだ時だけ。ちょっとした風邪なら受診して支払いが終わるまで10分とかかりません。年初から不安で暗澹たる気持ちを抱く一方、1年目よりは2年目の方が確実に患者数、検査件数も増えていたので淡い期待を持っていたのも事実です。

今こうして1年が過ぎて言えることは、サヨウナラ検査件数、サヨウナラ患者数、そして、サヨウナラ行列です。検査件数や患者数を目標とする医療には自ずと限界がある。右肩上がりで増えている時は気分いいのでしょうが、逆に減った時には、数至上主義者にとっては自分の心の拠りどころが無くなり、ひいては自己否定に繋がりかねません。診療報酬不正請求する医師にはこのような心理が働いているのでは、と考えます。僕が「Hospitalityの追求」を経営理念に掲げたように、医療とは元来「量」より「質」、いかに患者さんに満足してもらえるかが大事、であることを再確認できた年になりました。医療における「おもてなし」を十分実践出来たかと言われれば自信はありません。しかし、この3年間でその種を蒔くことは出来たと思っています。来年から看護スタッフが一新されますが、素晴らしい実を実らせることができるようさらに精進したいと思います。
今年1年ありがとうございました。そして来年もよろしくお願いします。
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新建築に掲載された写真で、僕が好きな写真です。

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