トヨタ問題は政治問題?
つい先日まで、NHKをはじめとしたテレビが連日トップニュースで「トヨタ問題」を報道していた。「アクセルペダル問題」や「プリウスのブレーキ問題」である。いわく、不具合を知っていながら情報を隠匿していた、問題が分かっていたのに迅速な対応ができなかった、現場の責任者ばかり出て来て社長が出て来ない、等々説明だけを聞いていればトヨタは世界最悪の企業である。はたしてそうだろうか?
確かに僕はレクサスに乗っている。しかし、トヨタの社員でもなければ、トヨタの工作員でもない。もちろん擁護する気もない。たまたま、自分の価値観とコストパフォーマンスが合致した車がレクサスであったというだけである。不具合があれば迅速に対応してもらいたいし、リコールの基準に合致するなら早急に情報提供をしてほしい、と願う。
不惑の40を過ぎてますます、近頃どうも物事を斜に構えて見るように、考えるようになった。マスコミが騒げば騒ぐほど、これは何か裏があるのではないだろうか、と勘ぐるようになった。車の不具合や、リコールを公表しているのはトヨタだけではない。最近でもホンダや日産の車にリコールが出ているのをニュースで聞いた。わずか数秒の扱いだった。要は程度と頻度の問題である。たくさん車が売れればそれだけ問題の数も増えるのは当たり前である。トヨタ問題を報道するなら、他メーカーとの比較で事故が多いのか、不具合が多いのかを報道して欲しい。トヨタにしろ、レクサスにしろ、顧客満足度が高いメーカーであることも事実なのである。今回の報道はあまりに一方的過ぎるような気がする。
現状および現在までの状況を振り返ってみる。
昨年、トヨタは世界一の生産台数を誇るメーカーになった。かたやアメリカ、GM、クライスラーは経営破綻、フォードも経営不振に陥っている。特に、GMにいたっては、最大株主がアメリカ政府なのである。技術面でみても、トヨタは先行投資に積極的でハイブリッド技術をはじめとした時代の最先端を走っている。一方、ビッグスリーは経営者への報酬や株主への配当にやっきになって、車の開発や技術競争には周回遅れ。アメリカ国内の政治状況は、あれだけ人気のあったオバマ大統領の支持率は低下の一途、このため今年行われる中間選挙では民主党の劣勢が予想されている。民主党は国民への何らかのアピールが欲しいところである。
かたや国内。外交面では、鳩山首相率いる民主党は中国に媚びへつらいすり寄る一方、アメリカには対等の関係を要求。そのため、いまだ普天間基地問題が全くもって解決せず、アメリカとの関係はますますぎくしゃくするばかり。その民主党の政策は、経営者よりも労働者に重点を置いた社会主義的なもので、大企業はすなわち悪なのである。
このように挙げると、トヨタへの過剰なバッシングは、日米それぞれが内包する問題のスケープゴードにされたのではないか、と勘ぐらざるを得ない。
何度も言うが、僕はトヨタを擁護する気は全くない。自らが掲げた「カイゼン」を早急に実行してもらいたいし、もし世界一ということで慢心していたなら改心してほしい。しかし、日本人が世界に誇るトヨタという素晴らしいメーカーが、何らかの悪意・圧力で必要以上にバッシングされるなら、日本人として断固反論していかなければ、と思うだけである。同様のことが起こったと感じるなら、ホンダでも日産でも同様に声を上げていきたいと思う。
経営者間でよく語られる言葉「最大のピンチは最大のチャンスである。」、自身もレーサーであり一族とはいえ叩き上げで社長になったモリゾーこと豊田章男社長の今後を見守って行きたい。
それにしても、自身が12億の子供手当をもらっていながら私の知らないところで行われていた、としらを切る首相が、トヨタ問題に関して「十分な説明責任をはたして欲しい」とコメントをしたのには相当シラケた気分になった。「十分な説明責任」という言葉の意味がいつから「だんまりを決めこむ」になったのだろう。