マグロは止まると死んじゃうんだよ。
第6回海陽祭に参加して
今年も息子達の学園祭に行って来た。昨年は、初日の朝一から晩まで各ハウスの演劇を計6本見続けた。昨年も長い髪が目立ったようで、演劇が終わる度に司会の生徒から「そこの長い髪の方よろしくお願いします。」とコメントを求められた。海陽生達には演劇マニアの変わった保護者と映っていたことだろう。
今年は二人とも裏方だったので行くかどうか思案していたが、ひょんなことから行かざるを得なくなった。9月3日に学園の近畿地区の懇親会があり、それには参加を予定していた。8月下旬に「懇親会出席しますか。」との問い合わせの電話が自宅にあり、妻はてっきり最終確認と勘違いして「もちろん出席します。」と返事をした。その後、それが学園祭時に行われる全体の保護者懇親会であることを理解した。全国から集まる保護者会とはいえ、やはり東海地区からの参加が多く、あまり知った人のいない懇親会でなじめるだろうか不安になったが、意を決して参加することにした。
今回が第6回目で、ようやく全学年が揃っての学園祭になった。生徒の自主性が尊重され運営されている学祭は、催し物・コンテンツ、企画特集、バンド演奏などどれも見応えがあり、自身の学生時代と比較して雲泥の差を感じた。とともに、軌道に乗って来たこの学園祭が、1期生からの弛まぬ努力、経験の積み重ね、先輩から後輩への継承、学生達の試行錯誤の上に成り立っていることに思いを巡らせると、感慨深いものがあった。
今回、6年生は受験勉強のためオブザーバーとしての参加だったそうだが、5年生がしっかりその伝統を引き継いでいたようだ。何かと注目されている学園の1期生、今後は大学進学実績に世間の目が注がれるところだが、スポーツフェスタや学園祭をはじめとしてこの学園の礎を築いた彼らのこと、きっと期待に応えてくれるだろう。
心配していた懇親会は、保護者、先生を含めて300名前後が集まった大規模なものだった。5期生の次男の保護者として参加したが、学年や地域は全く関係のない立食形式だった。我々夫婦は呆然と立ちつくすような状況だったが、何度かお会いしたことのある方に声をかけていただき何とか懇親会の流浪者にならずにすんだ。
さすがに300人の立食となると食事を取るのもままならず、最初はひたすらビールを飲むだけだった。黒い服に、ロン毛で顔を真っ赤にしてビールを飲んでいたら、余程目立ったのだろうか、さらに何人かの保護者の方に声をかけられ、驚いたのは「時々コラムを読んでいますよ。」とお声をいただいたことだ。有り難いやら恥ずかしいやら、何とも言えない気分になった。
保護者同士はもちろん、チューター(担任の先生)やハウスマスター(寮長)とも話ができ、子供達の学園での生活、先生達に子供達がどのように映っているのかをじかに率直に聞けた。学園に対する思いに多少の温度差はあるものの、現在の中等教育に対して問題意識を持って海陽学園を選択した保護者同士、時間とともに打ち解け和やかな雰囲気になった。参加して良かったと心底思える大変有意義な懇親会であった。
帰宅後、子供達に即説教メールを送ったことは言うまでもない。