院長のコラム

マッチの思い出

2024年1月期のドラマでもっともハマったのは、TBS金曜ドラマ宮藤官九郎脚本の「不適切にもほどがある」。個人的には傑作ドラマの一つと感じている。昭和のおじさんがひょんなことから令和にタイムスリップする物語は、一見コメディのようだが昭和と令和の世相の違いを的確に描写し、コンプライアンスに縛られた令和の我々に一泡吹かせる痛快風刺ドラマでもある。親子の愛情や人間関係の有り様を丁寧に描くところはヒューマンドラマであり、今後物語がどのように展開していくのだろうか、毎週金曜日が待ち遠しかった。終了した現在、「ふてほど」ロスが続いている。劇中、主人公の娘が思いを寄せる「ムッチ先輩」が憧れるのは近藤真彦ことマッチ。マッチと聞くと、自分が「愚か者」であることを痛感する思い出が蘇ってくる。

たのきんトリオの全盛と言えば僕が中学一年生の時。当時勉学に勤しんでいた僕はテレビドラマなんか観ることはなく、高視聴率だった「3年B組金八先生」の存在を全く知らなかった。なので、生徒役で出演している田原俊彦、野村義男、近藤真彦がたのきんトリオなんて知る由もなかった。たのきんトリオのことを知ったのは田原俊彦がデビューしてから。その頃、浮世から取り残されていた僕に、隣の席に座っていたHさんが「マッチ格好ええで」、「マッチ大好き!」と何かとのたまってくる。「はぁ、マッチ?」マッチ箱しか思い浮かばない僕にはチンプンカンプン。勉強がすこぶる出来た僕に、「一般常識を知らないの?」とばかりにマッチ押しをひけらかすHさんの言動がある時癇に障り、彼女の「近藤真彦」と大きく書かれた黒の缶ペンケースを右の手で思い切り叩いた。缶ペンケースは大きく凹むとともに大声で泣き出す彼女。その瞬間に「これはマズい!」、泣きじゃくる彼女の隣で、担任に校長室に連れて行かれ大目玉を食らい、Hさん宅に親子ともども謝罪しに行く光景が浮かんだ。自責の念と彼女に対する深謝で茫然自失するほかなかった。

その後、僕は校長室に呼ばれることなく彼女の家に謝罪しに行くこともなかった。翌日、歪んだままの缶ペンケースを見て「弁償させて!」と言ったような、それに対してHさんは「もうええよ。」と言ったような、あやふやな記憶が残っている。彼女に対してトラウマを抱えさせる衝撃的な出来事をした僕、この年齢になっても申し訳ない気持ちで一杯である。その後マッチはデビューし、万人が認める超人気アイドルへ。光り輝く彼を観る度に、自分の黒歴史、この苦い光景が思い出されやるせなかった。

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