院長のコラム

ランボルギーニ・デイ・ジャパン番外編(2)

パーティ会場に入った途端、全てが理解できた。「(天国と思っていた)雲の上にもヒエラルキー(階層組織)があるんや。」と。上座、下座、左右、座席がきちんと決められていた。尾崎豊の意思を汲んだ医師を自認している僕でも、さすがに反骨心は芽生えず、今回のこの条理をすんなり受け入れざるを得なかった。「ランボルギーニ初心者やのに、この場に呼んでもらえた。それだけで十分やんか。だったら、その場限り、(一所)懸命に愉しめばええやん。」、発想を切り替えることにした。

我々七人のテーブルは、三組の夫婦とディーラー担当者が割り当てられていた。隣は同世代、対面は一世代上のご夫婦だった。恐る恐る隣の男性に声をかけてみた。「ちなみにランボルギーニは何に乗っているんですか。」と僕。「ウラカン・ペルフォルマンテです。」と彼。「やっぱり凄いわ。」内心怯みそうになりかけたけど、これくらいで負けるわけにはいかない。「ところで、僕は初めてのパーティなんですが、何回目(の出席)ですか?」と僕。「実は、僕も初めてなんですよ。訳も分からず参加しました。」と彼。その一言で僕の緊張は瓦解した。隣同士が盛り上がれば対面とも直様話が弾んだ。その瞬間まで昨日の敵のように振る舞っていたのに、今や今日の友である。下座にも関わらず、いつの間にか声が大きく笑い声が絶えないテーブルになっていた。

胸襟を開いたところで、ずっと気になっていたことを隣人に聞いてみた。「ところで、ご職業は?」と僕。「開業医をしています。」と彼。「ええっ、同業者ですか!」と僕。「ええーっ、同業者ですか!!!」と狐につままれたような表情を見せる彼。「本当ですか?いやあ、びっくりしました。てっきり(あなたは)、半グレのリーダーだと思っていましたよ。正直、最初座る席を見た時、嫌な席になったなあ、と思いましたよ。」と爆笑する彼。「半グレのリーダー?そんなに見えるんかな?」僕の笑顔は引きつっていたに違いない。

パーティはその後、マジックあり花火の打ち上げあり、お値段以上の趣向が凝らされていた。帰り際、トイレに立ち寄った妻を玄関で待っていたら、ご家族で来られていた紳士に「オシャレですね。」と声をかけられた。逆に駐車場では、ともに和装されているご夫妻に、「こういう場にはやはり和装ですよね。素敵ですね。」と気軽に声をかけることが出来た。当初自分が想像していた参加者のイメージと言えば、車同様、気難しく高慢であった。けれども、実際参加してみれば自分が思い描いたものとは全く異なっていて、ざっくばらんに接することが出来た。

今回の体験談は、あくまでも個人的見解であることを理解していただきたい。また、自慢話でないことを読み取っていただければ幸いである。十三年前、諸事情により人里離れた資材置場に開業せざるを得なかった。満を持して開業した初日の患者数は二十名。「こんなはずじゃなかった。」と自問自答しながら不安と焦燥に駆られる日々。滅気そうになりながらも、瞬間瞬間を懸命に医療に取り組んだ。ランボルギーニに乗りたいなんて露にも思わなかった。しかし、十二年後の今、夢にも思わなかったことが実現している。振り返ると、一つ一つの積み重ねが現在の僕を形成してくれている。今回のパーティに参加していた多くの方々も、きっと僕の境遇と大差ないだろう。そう考えると、ランボルギーニオーナーに対して持っていた偏見は雲散霧消した。今回の一連のイベントで、未知の世界を知って心機一転した。ランボルギーニ大阪さんには感謝するばかりである。

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