院長のコラム

ランボルギーニ・デイ・ジャパン2019(後編)

パーティ会場は案外カジュアルな服装の男性が多かったと述べたが、侮ることなかれ。と言うのも、LとVのマークのついた服を着て、足元も同ブランドのスニーカーで決めた方を結構見受けた。街中でルイヴィトンのバッグを持っている人を見ないことはないが、洋服を着ている人はショップに行ってもそうそう見ない。ところで、たまに見る番組にカーグラフィックTVがある。出演されている松任谷正隆氏が着ている何気ないニットはルシアンペラフィネのものと聞いたことがある。このニット、ものによっては五十万円をゆうに超えるものもある。人は見かけによらぬもの、ランボルギーニオーナーがユニクロやノーブランドものでパーティに参加するとは考えにくく、きっとラグジュアリーブランドのものに違いない。

片や女性はというと、ほとんどが同伴者なのでビシッと着飾った方が多かった。着ているブランドはよく分からないが、持っているバッグはとにかく目を引いた。エルメスのバーキン所持率が高く、それも通常のものとは異なりオーストリッチやクロコといったマニア垂涎のものも拝むことが出来た。けれども、それらが華やいだ服装にマッチしているかと問われれば甚だ疑問である。海陽学園の保護者会でもバーキンを手にしている方を少なからず見かけたことがある。髪型や髪の色、そして服装が絶妙にマッチしていて上品さを感じた。レアなバーキンに高価なブランドドレスが即ちおしゃれ、と行かないところがファッションの妙である。

「ところで長嶋、他人のことをとやかく語るお前はどうなんや。」とつっこみが入りそうなので、当日の面白いエピソードを記そうと思う。僕の戦闘服はもちろんヨウジヤマモトである。いつどこに行こうが僕のドレスコードはヨウジヤマモトである。今回のイベントでは、この秋冬の全面に刺繍の施された立襟のロングジャケットを選択した。珍しくファム(女性)にも似たようなテイストのものがあったため、一応夫婦として合わせて参加した。パーティ会場では、いつものように怪訝そうな目を投げかけられた。もう慣れっこになっているので、「また、(周囲から)浮いたか。」程度にしか思っていない。むしろ、奇異な視線に曝されて怖気づいたら負けである。冷ややかな眼差しをもろともせず、中央テーブルに並べられた美味しいイタリア料理を何度も取りに行っていた。すると、突然白人男性が寄って来て、「あんたはオシャレだ。」「カッコいい!」「クールだ!!」と英語でまくし立ててくる。「写真を撮っても良いか?」と問われたので、答えは一つ、オフコースである。「一緒に写真を撮っても良いか?」、もちろんOKである。彼が奥さんを呼んで彼女が写真を撮ろうとしていたら、「ヘイ、一緒に写真を撮ろうぜ。」通りすがりの男性を呼びかけた。何と彼は、先程のプレスカンファレンスでプレゼンしていた男性である。両脇に白人男性を抱えた三人組写真が撮られた。彼のtwitterかinstagramには、きっとこんなふうなコメントとともに写真があげられているのだろう。「ランボルギーニの日本イベントで侍に出会った。」と。

今回のイベントでは、真の意味で社会勉強をさせてもらった。五十にしてようやく辿り着けた世界で、さらにその上の世界を実感した。レアなルイヴィトン、レアなバーキン、レアなランボルギーニを間近に見ることが出来た。その世界の中で僕は悟った、「これは見栄の世界やな。」と同時に、「もうええわ。」だった。欲望が止まらないように自慢も底なし沼である。オープニングセレモニーで歌舞伎を披露して、片岡愛之助氏に見得を切らせた意味が理解できた。僕の妄想がランボルギーニの意図するところだとしたら「恐るべし、ランボルギーニ」、絶句する他ない。

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