院長のコラム

七十五歳の誕生日

2015.06.14

亡き父の誕生日に

男前なアロエルートの二人です。
僕は酔っぱらってしまうと、無意識のうちにアロエブラザーズと呼んでしまって、
いつも二人からひんしゅくを買っています。

 

六月十日、サービス付き高齢者向け住宅「ポータラカ」の完成祝賀会を開催した。工務店関連会社、備品納入業者、取引銀行、指導いただいたサ高住や訪問看護ステーションのスタッフに加えて、クリニックスタッフ、事業所スタッフ、総勢七十名近くがポータラカの2階食堂に集った。

今回の会の主催者は介護事業所施設長である。とはいえ施設長が妻なので、会の段取りをするのは実質的には僕の仕事になる。ケータリングや飲み物の手配はもちろんのこと、司会者の選定、式の段取り等、慌ただしい日常診療の合間にしなければならない。日頃からの異業種交流のおかげである。携帯に登録されている人を検索して連絡をすれば、難なく済ますことが出来た。
何か会を催す時には、自分らしいアイデアを詰め込みたいと考える習性が僕にはある。今回は、二つのイベントを設けることにした。一つは、工務店関連会社の苦労話を聞かせてもらう場を設けた。もう一つは、地元が生んだミュージシャン「アロエルート」のライブを企画した。

用意周到とはこのことだろう、当日は盛大な会になった。場馴れした司会者の進行のもと、施設長の挨拶に始まり、施設長から工務店代表取締役への感謝状贈呈、出席者の紹介、乾杯の挨拶から祝賀会へと滞りなく進んだ。途中、工務店関連会社の涙話は、この建物の素晴らしさを満天下に知らしめるものとなった。
クライマックスのアロエルートのライブは、参加者の年齢に関わらず心にズシンと響いたに違いない。参加者の年代的には、アロエルートを初めて聞いた人がほとんどだった。けれども会終了後、参加者から「アロエルート良かったよ。」、お褒めの言葉を多数いただいた。用意していたCDも全部売れたそうである。

画竜点睛を欠く、とはまさにこのことだろう、最後の院長の挨拶が会に水をさしてしまった。
奇しくも、六月十日は亡くなった父の誕生日であった。生きていたら七十五歳で、いよいよ後期高齢者年齢を迎えていた。慌ただしい日々の中で、祝賀会の日が父の誕生日であることを数日前に思い出した。締めの挨拶は自分と決めていたが、何を話すか全く決めず当日を迎えた。平日は基本的に一日一食である。空腹状態にビールで乾杯、準主催者の立場上ビールを持って挨拶まわりをしなければならない。注いで注がれてで、食べることなくひたすらビールを飲んだ。酩酊状態で院長挨拶を迎えてしまった。

話す内容を準備せず意識が朦朧としていた僕の心の中に、「父のことを話したい」という気持ちが突然湧いてきた。学生運動真っ只中、医師国家試験受験の妨害をされたため、母校のある北海道ではなく東北で試験を受けたこと。学生結婚で妻子を抱えていた父は、より条件のいい病院を探して各地を転々とし田辺市に辿り着いたこと。開業当初、他所者であるがゆえにいじめられたこと。それにめげること無く立ち向かい、地元医師会長になったこと。
伝えたかったことは、人それぞれ連綿と受け継がれたものを持って生きているということであった。僕という人間が突然変異のように現れたのではない。両親がいて、その両親にまた両親がいる。無名な僕にも歴史があるのだ。その僕が七十名もの参加者が集う会を開催する。両親のお陰であり、参加していただいた人々たちとの御縁としか言いようがない。

最後の院長挨拶は、取り留めのないことを散漫と話す結果になってしまった。何か会を催す時には、自分らしいアイデアを詰め込みたいと考える習性が僕にはある。一方、盛り上がった会を、最後には院長挨拶でぶち壊してしまうという悪癖も持っている。何時になれば大人になれるのだろう、ますます反省することの多い日々でもある。

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