院長のコラム

二人の天才、みうらじゅんと安藤忠雄〜久しぶりの家族旅行三日目〜

2019.09.23

八月十一日、午後六時過ぎ、富山城前にあるANAクラウンプラザホテル富山に到着した。チェクイン後、「さあ何処行こか(食べようか)?」と僕が問うたものの、誰も答えてくれない。一日中ドライバーを務めた身としては、直ぐに食べたい、飲みたいのである。子供達が必死に調べ電話をしてみたものの、やはりお盆中である、帰省客や観光客で所謂人気店は満杯のようだ。仕方なくホテル内のブッフェにした。これが意外とよく食べて飲んで余は満足した。僕と三男はベッドに横たわった途端、撃沈。翌日もほとんど何も決まっていない、有名な「きときと寿司」でお昼を食べるだけだ。

 

八月十二日朝、お昼に備えてモーニングブッフェを予約しなかった。僕は、習慣のブラックコーヒーとヨーグルトを買いに近くのコンビニに足を運んだ。帰り際、ホテル内のロビー掲示板に何気なく目を向けた。「みうらじゅんフェス」の文字が突如として入ってきた。部屋に帰って調べたところ、ホテル斜め向かいの市民プラザで開催されているではないか。きときと寿司で食べるためにホテルを十一時に出発、フェスは十時オープン、「みうらじゅんやから一時間で十分、待っておいてよ。」ホテルに残ることにした長女と三男に言い聞かせ、我々夫婦と長男でフェスを訪ねた。

 

みうらじゅんは天才である、改めてその人となりにひれ伏した。「みうらじゅんやから一時間で十分。」、あまりに軽率な自分の言動を恥じた。例えば、開成中学・高校、東大経済学部、財務省入省そして事務次官、その経歴はある意味天才である。しかし敬意を払うことはあっても、その人生が羨望に値するかどうかは分からない。自分の息子を殺めた元農水事務次官の事件が思い出される。会場に入って直様、膨大な情報量と知識に圧倒され、めまいを覚えた。幼少時代からスケールの大きな収集を行い、それをスクラップブックに保存し、見事なまでにアーカイブを完成させている。常人は興味の対象がせいぜい一つや二つ程度だが、みうら氏は多岐にわたる。これでもか!これでもか!順路に沿って、みうらじゅんワールドが怒涛の勢いで押し寄せてくる。一時間でフェスを満喫することなど到底困難で、おそらく一日あっても無理だろう。断腸の思いで会場を後にした。僕にとって富山市の最初で最後の思い出が、「みうらじゅんフェス」になった。まさにトホホホである。

 

きときと寿し婦中有沢店で地元の食材を堪能した後、次の行き先は高岡市にある「ミュゼふくおかカメラ館」に決めた。たまたまピックアップしたパンフレットに同館のことが紹介されていて、カメラが趣味の長男の食指を動かした。カメラ資料の収集・展示と第一線で活躍されている写真家の展覧会が主たる活動のようだ。何とカメラ館の建築は安藤忠雄さんによるもので、富山県唯一の安藤作品である。訪れた時は、「絶対風景 絶景でつづる日本列島」展が開催されていて、四季折々の絶景を思う存分味わえた。それ以上に感動したのは、建物が醸し出す佇まいである。決して大きいとは言えない建築物だが、コンクリート打ち放しの開放的な無機質な空間に、光と影が絶妙に織りなされていた。金沢21世紀美術館とは規模が全く異なるが、僕の心には「ミュゼふくおかカメラ館」が強く印象に残った。

 

この日富山で奇しくも、全くジャンルの異なる二人の天才の作品に触れることが出来た。富山の思い出といえば名所・旧跡は微塵もなく、きときと寿しとみうらじゅんと安藤忠雄になってしまった。これも、あてどない旅の醍醐味である。

 

 

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