令和6年、田辺高校卒業式にて
令和6年3月1日、第76回卒業証書授与式が田辺高校体育館で挙行された。昨年同様、同窓会会長として参列させていただいた。これも昨年同様、来賓として一言を求められた。「卒業おめでとうございます。」だけでは素っ気ないと感じた僕は、昨年、短いバージョンと少し長いバージョンを用意して出席した。COVID-19感染症がまだ5類に移行していなかった時期でもあり、マスク着用でマイクの用意はなく、僕以外の来賓の挨拶は簡素なものだった。来賓として出席する以上、何か心に残るものを卒業生に伝えたいという想いに駆られ、マイク無しの地声で少し長いバージョンで挨拶をした。来賓は途中退場のため、卒業生や保護者にどう届いたか皆目わからない。退場後、校長先生から「グッと来ました。良かったですよ。」の労いの言葉に一先ず安堵した。
昨年は初体験のことで、経緯や内容、経過をこの院長コラムで書かせていただいた。今年の卒業式は、同窓会会長として最後の参列になるとは言え、週間日記でもあるこの備忘録に書くほどの出来事ではないと高をくくっていた。それよりも、母校の選抜高校野球大会の出場のほうが二度とないかもしれない人生の一大イベントであった。今年の卒業式は昨年よりも気負うことはなかったが、来賓として格調高さを示さなければならないと感じていた。他の列席者の兼ね合いもあり、昨年の状況と経験を基に1分強のスピーチを見越してひな型だけ作っておいた。来賓の挨拶で原稿を読むなんて野暮なことは出来ない。その日の情勢で端折れるようにだけ準備しておいた。以下、まま原文。
『卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。と同時に同窓会への入会おめでとうございます。同窓会長として皆さんにお願いしたいことが二つあります。
一つは、この春、野球部が76年ぶりに春の選抜高校野球大会に出場します。進学や就職等で何かと慌ただしいかと思いますが、ぜひ母校の勇姿及び後輩の活躍を甲子園で見守って欲しいと思います。
二つ目は、今日ここにいる卒業生のほとんどが晴れやかな気持ちでいることと思います。しかし、中には受験に失敗したり、第一志望校に行けなくて忸怩たる思いでいる卒業生もきっといるでしょう。そんな中には、二度と田校の門をくぐるまいと決意をしている人もいるかも知れません。何を隠そう40年前の3年G組の長嶋雄一君がそうでした。何の因果か、今は同窓会長として同期の誰よりも田辺高校のことを思い活動しています。人生とはこんなものです。今日晴れ晴れとしている方は今日のこの気持ちを忘れず、何となく卒業する方はこれを機に卒業することの意味を、もがいている人がいれば一旦気持ちをリセットし、今日の門出を誇りと自信を持って旅立って行くことを願います。
最後に、伝統ある母校でこのような場を提供していただいた田辺高校諸先生および同窓会の皆様に感謝を申し上げます。列席いただいた保護者の皆様、今日のこの日を迎えられましたことを心からお祝い申し上げ私の挨拶とさせていただきます。』