院長のコラム

北公次という人

2023.10.28

日本のメディアの問題は、基幹たる新聞社がテレビ局と密接な関係にあることだ。成り行き上、資本関係や役員人事による表裏一体の結びつきがあり、言わば持ちつ持たれつの関係にある。建前では、「テレビ局と新聞社は独立している。」と言うけれど、ニュース解説番組では系列新聞社の論説委員が解説、コメントしている。かつてのテレビ朝日の「報道ステーション」、現在のTBSの「サンデーモーニング」なんかは、まさに新聞社の意向を垂れ流すだけの偏向報道番組。かたやテレビ局は、ジャニーズ事務所所属のタレントを出演させればスポンサーがつきやすく視聴率も見込める。テレビ局が金のなる木をみすみす手放すはずがない。きっと、テレビ局側の意向を懇意関係にある新聞社が斟酌したに違いない。テレビ局は真実・正義・人権などは二の次で、スポンサー広告料や視聴率が何より大事なのだ。ジャニーズ事務所と一蓮托生だったメディアが、事務所の圧力がなくなり忖度不要になるや否やのバッシングには白けるばかり。

ところで、今回の騒動を機にショッキングな映像を観た。暴露本と称された「光GENJIへ」の著者・元フォーリーブス北公次の肉声と映像が残っていた。北が覚醒剤使用で逮捕されたのは、ジャニーズ事務所退所直後の1979年。「光GENJIへ」が出版されたのが1988年。奈落の底につき落とされヤサグレていた北公次氏を救ったのが、ドラマ「全裸監督」の主人公モデルになった村西とおる監督。きっかけは、村西監督が設立したAVプロダクションの女優に手を出したのが元ジャニーズ事務所所属の一世風靡した有名タレント。これに怒った村西監督が、ジャニーズ事務所に徹底抗戦することを決意、北公次に白羽の矢を立てた。当時、暴露本「光GENJIへ」はベストセラーになったけれど、これでも許せないのが村西監督。34年前に、「光GENJIへ」の内容を本人に語らせる映像を残していたのだ。覚せい剤取締法で逮捕された元犯罪者とアダルトビデオ監督が関わったドキュメントは、当時なら何ともいかがわしくまさに芸能ゴッシプ的。ところが、当時はプンプン臭いのした「騙すのはよくねえっつんだよ。」という言葉に真実があったのだ。

当時、胡散臭いで放置され続けた告白。あれから34年も経って今頃、真実が証明された。34年前に文字と映像に記録され、20年前には最高裁で認定されたホモ・セクハラ被害。それなのに、さもなかったかのように時が過ぎていった。「ジュリー景子さんが公ちゃんのお墓に行って、『申し訳ございません』と言って、しかるべき弁済金、保証金をしてくれることを夢見ています。」の村西監督のコメントに僕は激しく同意したい。その北公次氏の本姓は松下。北は、実はジャニー喜多川のキタ由来らしい。この方が田辺市出身だったことは、もう地元でさえも知る人は少なくなっている。ネット情報によると、松下公次さんは、田辺市市営神子浜墓地にある松下家の墓に家族とともに眠っているそうだ(真偽不明)。我が地元が生んだ有名人の無念が、今ようやく晴らされようとしている。地元民としてこの場を借りて合掌、🙏🙏🙏

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