院長のコラム

十五年目の真実(中編)


「すがることが出来ない」、「表立って弱音をはけない」、「何のためにどこへ行こうとしているのか」、十五年前に自分が書いた文章を読んで感じた。十五年という時を経て、もう寂しくなくなった。だって、「男の子だろ もうすぐ、かあさんにあえるよ きっと天国で」。

「母上様、僕の立ち振る舞いはどうですか、このままでいいですか?」
物心ついた時から悩んできた自我の強さ。これは、治すとか直せるとかの問題ではなく性根。両親から継承された天性だけでは説明できないどうにも出来ない性質なのだ。というのも、弟は誰とでも仲良くなれるし、仲間内で波風を立てることはあまりない。「お兄さんは人格者と評判ですよ」と家督を継いだ次男の人徳を、ボンクラ長男に語る年配者には閉口するしかない。強い自意識は、「組織に属している限りデメリットの方が多い」と経験上実感している。これは独立すれば全く別物。主体的に生きているから頼もしく心強く映る。率直な物言いが裏表なく素直な印象を醸し出す。組織トップにはリーダーシップが求められ、そのためには強い自我が必要と考えている。逆に、リーダーシップのないトップが率いる組織は心もとなく信頼できない。自身の言動や立ち振舞いは、ある時は最悪、そしてある時は最高。だから、評価判定は「可もなく不可もなく」。どうですか、母上様。

「母上様、僕は何かとはみ出してしまいますが、直したほうがいいですか?」
結論から言うと、「母上様、結局、僕は何かとはみ出してしまいました」。ノブレス・オブリージュを掲げるクラブを辞め、経営人が集う同友会を辞め、挙句の果てには医師会まで辞めた。「そこに愛はあるんか!」を感じ取れる組織ならいい。だけど、「そこには利害しかあらへんや!」としか見いだせなかった。経営者としてグループやチームに所属できなくても、老若男女、世代・職種、先輩・後輩、垣根を越えた人々と個人的に日々集っている。先約がない限り、「誘われたら断らない」がモットー。僕の人生は、出会いと御縁で成り立っていると言っても過言ではない。決して良いことばかりではないけれど、悪いなりにも学びがある。「断れば二度と誘われない。それはチャンスを逃すことにもなる」、ブランドや百貨店の催事にも極力足を運んでいる。そういう場ではむしろ、はみ出している方が重宝される。「芸術家さんですか?」、「よく言われますが医者です」のやり取りを何度も繰り返し、「つかみはOK」で話は弾む。母上のように、母上以上に僕は人生を楽しんでいるつもり。だから、評価判定は「優」。どうですか、母上様。

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