院長のコラム

外連味(けれんみ)がない。

2012.10.14

とあるPVとCMを見て

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佐野さんの新曲「La Vita e Bella(ラ・ヴィータ・エ・ベラ)」のプロモーションビデオを見て思わず浮かんだ言葉が、「けれんみがない」である。歌詞中の「この先へもっと」というフレーズが、佐野元春というソングライターのすべてを表しているかのように思えた。ここまで、気負わない、飾らない、そして真っ直ぐなものを見せられると、否、見せつけられると、「あっぱれ!参りました!」としか言いようがない。

「La Vita e Bella」は、トヨタのマークXのテレビコマーシャルでタイアップ曲として起用されている。佐藤浩市演じる父親と娘の会話が、あまりに典型的、古典的、そして理想的で、思わず「けれんみがない」と感じた。若い時にこのCMを見ても何も思わなかったが、今の自分の年齢(おそらくCMのターゲット年齢層)になれば、「ああ、いいなー」と素直に思った。非現実的なことは分かっていながら。
CMでは、以下のようなセリフが流れる。
父:(困ったように)「もっといい男をみつけろよ」
娘:(涙ぐみながら)「パパみたいなって、いうんでしょ」
父:「わるいか」(苦笑い)
娘:「わるい」(そっと微笑む)
一方、僕も通学している娘を駅に迎えることがある。現実はこんなものである。
父:(何を話していいか分からず)「学校楽しい?」
娘:(ぼんやりと)「まーまー」
父:(次の言葉を探しながら)「・・・・・・」
娘:(相変わらずぼんやりと)「・・・・・・」

若い時の理想、人生経験を経た理想。同じ理想という言葉ではあるが、理想の意味が異なる。若い時の理想は、99%実現できないとは分かっていても実現できるかもしれない可能性がまだ残っている。しかし、人生も半ばを過ぎれば、もうすでに経験してきたことが多く、その経験から学習したことによって無謀と思える挑戦は自ずと回避するようになった。そもそもこの年齢になれば、夢や理想といわれても悲しいかなピンと来ない。
ふと、自分は「つまらない大人」になったのだろうか、日常生活の中に埋もれているのでは、と感じることがある。しかし、そう思っても、何も行動を起こせず悶々としている自分がそこにいるだけだ。

「La Vita e Bella」で「この先へもっと」と言われ、マークXのCMでは理想的な家庭像を見せられ、「けれんみがない」という言葉が今の僕には臓腑に染みる。この10月から「THE SONGWRITERS」の4th Seasonが始まった。そこにはいつものように、けれんみなく立ち振る舞う佐野さんがいた。
僕より一回りも年上の佐野さんが、立ち止まることなく走り続けている姿に鼓舞されるとともに、日常生活・人生経験に拘泥されている自分に気付いた。今の生活を劇的に変えることは出来なくても、僕のこころの中にあるろうそくの1本に火を灯してみようと思う。

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