院長のコラム

大岡裁き

2013.01.26

別府温泉での出来事(2)

最初は、6人でこんな部屋でした。
これでも十分な部屋でしたが・・・、

 さすがに子の刻になろうとしていたので、たまらずフロントに電話をした。間もなくしてスタッフが駆けつけてくれた。「廊下からの気配では、階上は分かりませんが隣は廊下にも声が聞こえてきます。」との報告を持ってきてくれたスタッフに、室内でも確認してもらった。「やはり、随分音がしますね。今日は年末でほぼ満室状態なので、このような(騒がしい)お客様もいらっしゃることがあります。誠に申し訳ありませんが、今から部屋を替わっていただけませんでしょうか。」???一瞬、狐につままれたように「この人何を言っているのだろう?」と唖然とした。「いや、こちらは、やんわりと注意してくれるだけでいいのですが。」「いや、大変ご迷惑をおかけしていますので、何とか部屋を替わっていただけませんでしょうか。」「いや、クレームをつけているわけではないので、ほんの少し注意してくれればいいだけです。」「いや、とにかく部屋を用意しますので、お願いします。」互いに譲らない「いやいや」対決の末、スタッフの押しに負けてしぶしぶ承知した。

何と案内された部屋は、3ランクは上級の広い特別室だった。部屋付きのお風呂があり、置かれている調度品も気品あるものばかりだった。洗面所にはバスローブが置かれ、アメニティーグッズは一流ブランドのもので、一見一流ホテルのスイート・ルームと見紛う素晴らしい部屋だった。「夜分迷惑をおかけしてすみませんでした。」「いやいや、こちらこそこんな素敵な部屋にしてもらってすみません。」今度は、ホテルスタッフと宿泊人の恐縮合戦となった。
先に寝ている三男を移動させて、遅くまでゲームコーナーや温泉を満喫していた子供達を部屋に案内した。子供達は「何で、何で。」を連発していささか興奮していた。

広い部屋のふかふかの布団の大きなベッドに体を横たえた頃には、日付が変わっていた。夜更けの慌ただしい出来事に振り回され、その経過を客観的・冷静的に判断できなかったが、ふと見上げた黒い帳の夜景に照らされた高い天井を見ながら、「自分は素晴らしい経験をさせてもらったのでは、」と忘れられない夜になりそうな興奮をふと覚えた。
なぜなら、今回の出来事の対応で、誰も不愉快な思いをした人がいないのである。不愉快な思いを長く経験したのは僕だけで、妻は数十分、子供達は全く知らない。その僕でさえ、こんな素晴らしい部屋に通されれば、それまでの苦悩も一瞬で吹っ飛んだ。
もし、これが当方の主張したように、夫々の部屋に連絡していたらどうなっていたことか。そもそも夜更けに騒ぐこと自体が問題なのだが、注意をしたら彼らの楽しい一時に水を差していたかもしれない。理解のある人ならいいが、ひょっとしたら逆切れされるかもしれない。もっと言えば、「我々も上や隣がうるさいから騒がしくしているだけです。それを言うなら、我々の周りも注意してください。」、こうなれば収拾がつかなくなる。
うるさいのデフレスパイラルになりそうだったところを、たった一家族、もっと言えばたった一人の家長をおさえておくだけで解決したのだ。これこそまさに大岡裁き、All Winの関係、もしくは三方両得の見事な解決方法である。

人間関係でトラブルが生じた時、収束・解決に苦労することが多々ある。今回の場合なら「うるさい」「神経質」、日常においては「言った」「言わない」、「やった」「やらない」でもめることがある。それぞれの立場があるので互いに譲ることなく、ただ神経をすり減らしながら精神的泥沼に陥ることが自身も何度かあった。今回の解決方法がすべてに通じるとは思わないが、俯瞰的、客観的、冷静に判断することが重要であることを改めて教えてもらった。
次回は、迷惑料込みの特別室ではなく、正規の料金を支払って泊まりたいものである。

深夜にはこんな部屋に変わっていました。
もちろん、この奥にはベッドルームがある広い部屋でした。

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