院長のコラム

大腸内視鏡検査のすすめ

2015.05.17

早期発見・早期治療のため

快方に向かうことを祈るばかりです。

 

 五月になって、いつもと違う、「なんでだろう~なんでだろう~」と感じていた。例年になく大腸内視鏡検査を希望する患者さんが多いのだ。しかも、通常なら六十代以上の定年退職後の患者さんがほとんどなのに、四十代・五十代の現役世代の若い方の受診が増えている。その理由が、最近ようやく分かった。

テレビのワイドショーを見ないので自身は知らなかったが、少し前に、俳優の今井雅之さんが大腸癌の手術をしたこと、臨床病期がステージIVであったことを告白したそうだ。ステージとは、癌の広がり具合を表現するものでI~IV段階に分類される。ステージIVはすなわち、癌が広く転移していることを意味する。癌が直ったかどうかの指標に5年生存率が用いられる。これは、癌治療開始から5年後に生存している人の割合を示すものだが、ステージIVでは10%程度である。かなり厳しい状況にあることは間違いない。
衝撃的だったのは、ライフワークとしていた舞台での降板のお詫びの挨拶写真である。今井雅之さんというと体躯のがっしりした武闘派のイメージがあったが、別人と見紛うほどに痩せていた。素人目でみても、逼迫した状況であることは理解できる。きっと、自分の腹部症状と今井さんのやせ細った姿を重ね合わせた人が多かったに違いない。

当院はお陰様で、数多くの内視鏡検査をさせていただいている。それはすなわち、検査件数と同じだけの逸話があるということである。
当院で最も若い大腸癌患者さんは三十代半ばである。痔の出血と思って様子を見ていたけれども、半年続くのでいよいよ来院して検査を受けたところ、直腸の進行癌であったことが判明した四十代前半の方。半年前に他院で大腸検査を受け異常なしと言われたけれども、不安だったため当院で検査を受け早期大腸癌が見つかった五十代男性。次回は5年後に検査を受けるよう他院で指示されたけれども、心配で3年目に当院で検査を受け進行癌が認められた六十代女性。便秘がひどくなったと、かかりつけ医に半年以上訴え続けたけれども「歳のせい」と取り合ってくれず、家族に連れられ検査を受け大腸癌が原因であることが分かった八十代女性。2年連続で便検査異常を指摘されたけれども内視鏡検査が怖くて検査をせず、家族に懇願されようやく検査を受け大腸癌が見つかった六十代男性。最初別の医院を受診したけれども、3ヶ月の予約待ちのため、一刻も早い検査を希望され当院で大腸癌が見つかった七十代女性。便検査は異常なかったが、念のために検査を受け広範囲にわたる良性腫瘍が見つかった七十代男性。
以上のようなエピソードはほんの一握りである。大腸癌の診断をする度に、「もう少し早く何とかならなかったのだろうか。」と考えこんでしまう。

胃癌と異なり予防法のない大腸癌である。専門医の立場からは、早期発見・早期治療のためには内視鏡検査を勧めたい。しかし、検査前の用意周到な準備が必要で、検査自体も熟練を要する難易度の高いものである。大腸内視鏡検査希望者に対して敷居を低くすること、苦痛の伴わない検査が受けられるよう努めることが、当クリニックが掲げる「ホスピタリティの追求」の一貫だと改めて感じている。

他院で異常なしと診断された進行癌の一例。

 

 

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