院長のコラム

小さなことから、コツコツと

一個人として、職業人として、そして零細企業のトップとして大切にしていることがある。意思疎通、共通認識、相互理解である。それは親子や夫婦関係、友人関係、職場環境においても通じる。特に、職場の風通しを良くするためには、時代錯誤と思われるかもしれないが、ノミ(飲み)ニュケーションが何よりも重要と考えている。それ故、開業時からスタッフと関連する企業や友人を迎えて年に2回カラオケ大会を開催していた。それ以外にも、歓送迎会やイベントにかこつけてクリニックスタッフと定期的に食事会を行ってきた。始業から終業時刻まで僕には休み時間がない。近頃は大分暇だが、コロナ禍前は診察と内視鏡検査に明け暮れていた。仕事が終われば心身ともに疲労困憊で、自分の仕事をある程度終えれば直様帰宅していた。仕事中、スタッフとゆっくり話す機会はない。例えあったとしても、職場での指導はパワハラに取られるかもしれない。就業中は、気付いたことに対して注意喚起することに徹している。

介護事業所を開設してから、スタッフは更に多くなった。クリニック同様、コミュニュケーションをとるべく食事会を極力設けるようにした。しかしだ、この業界の特有な状況に戸惑う日々が続いた。自分の仕事内容を神棚に置いて、人間関係や職場環境に不平不満をこぼす人間が何と多いことか。些細なことですぐに辞めていく。「他職種と比較して職業意識が低い。」、これは介護事業所経営者の一致した見解である。「石の上にも三年」ではないが、人が育ち定着するまでに三年以上かかった。ようやく落ち着いて来た矢先にこのコロナ禍である。コミュニュケーションを取る場が断たれた。「日々の業務でコミュニュケーションを取ればいいじゃない。」という意見もあるかもしれない。「あなた本当に経営者ですか?」、僕はすかさず反論したい。職場環境の向上を考えれば考えるほど、ノミニュケーションの大切さを痛感している。

時は熟した。当地域のCOVID-19感染報告は落ち着いている。法人スタッフは、既にワクチン接種を2回終えている。個人的には以前から積極的に行っていた食事会を、法人として開催する時が来た。それは即ち、壊滅的な被害を被った飲食店に微力ながら貢献することを意味する。可能な者から経済活動を再開させなければ、いつまでたってもコロナ恐怖症に覆われつくした空気は澱んだままである。無症状・ワクチン2回接種を原則に、関連する企業に参加を打診した。ところが、とある企業の社長自ら「今回の会は遠慮させて欲しい。」との返事が来た。理由を問いただしても、「何となく世間の評判が、、」とお茶を濁す。「それなら、いつから食事会への参加を許可するのですか?」と詰問したところ、しどろもどろで明確な答えが返ってこない。「分かりました、(御社には)二度と交流会には声をかけません!」、憤懣やる方なく言い放った。僕らは一人で生きているわけではない。誰かを助け誰かに助けられ生きている。早く立ち直った人間が行動しないと何も世界は変わらない。「我(わが)さえ良ければいいの?」腹立たしさは増長した。

昨今、菅首相や政府に対して物申すことが美徳のような風潮がある。けれども、地方の企業のトップが風評に流され同調圧力に屈し、今後を決定出来ないでいる。決定を先延ばし中途半端な行動しかしないのは、何も首相や政府だけではない。政府は、現在の国民の意識を反映していると言っても過言ではない。僕は僕のやり方で進んでやる、満員で賑わうウィンブルドンテニス男子決勝を見ながら、西川きよし師匠の「小さなことから、コツコツと」という言葉が浮かんだ。

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