院長のコラム

山中伸弥氏

ノーベル賞受賞!

紀伊民報の記事より。
ちなみに、亡き父も僕もこの病院に勤務したことがあります。
それがどうした、と言われれば、それまでのことです。

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山中伸弥先生は、言わずもがなノーベル賞医学生理学賞の受賞者である。僕と同業者であるが、月とスッポン、いや太陽と深海魚くらい名実ともに差があることは自覚している。唯一勝てるとすれば、自宅の洗濯機と髪の毛の長さくらいであろう。
厚顔無恥を承知で、山中先生の受賞にふと感じたことを3つばかり記しておこうと思う。

先ずは、その大胆な発想や勇気ある決断である。
山中先生は、自身に整形外科医としての天賦の才がないことを自覚し(謙遜しているのは重々承知しているが)、それならと別な道でもっと人の役に立つようにと研究者の道へ方向転換した。研究は医師免許がなくてもできるが、医師免許を取得して、なおかつ一度は臨床の道を志したものが自らその道を閉ざす。このことは、大胆な発想がなければ出来ないし、如何に勇気ある決断が必要であったか、想像に難くない。
自分のことで考えてみると、医師の家庭に生まれ、紆余曲折はあったものの流されるままに医学の道へ進み、父の背中を見るように同じ内視鏡医になった。内視鏡医としての才能が自分に備わっているのか、そもそも医師になる素質・資格が自分にあったのだろうか。山中先生の逸話を聞いて考えさせられた。

次に、学歴のことや、ある意味で地方分権のことが浮かんだ。
山中先生は神戸大学医学部の卒業である。至極当たり前のことではあるが、東京大学を卒業していなくてもノーベル賞を受賞できるのだ。日本という国にいれば、東大が最高学府ゆえに東大出身者に絶対的な権威を感じがちだが、世界的に見れば数多ある大学の一つに過ぎないことを今回改めて知らされた。
しかも、その仕事が米国でもなく東京でもなく、京都でなされたことに意義がある。日本の首都ゆえに、最新の流行・情報発信は東京からと思いがちだが、ことiPS細胞の研究に関しては、京都を中心とした関西がメッカだそうである。地方分権と言われて久しく、その時に必ず言われるのがヒト・モノ・カネの3セットである。それらが一極集中した東京の権限をいかに分散化していくかが現在の日本の問題点の一つであるが、今回の山中先生の受賞は、それが乏しくても知財があれば東京でなくてもいいこと、知財が地方分権の重要な因子になりえることを示唆してくれたように思えた。

最後に、「まだまだ負けていないぞ、日本」である。
受賞時に「日本という国に支えていただいた。日の丸のご支援がなければ、受賞できなかったと心の底から思った。」という発言をされていた。
国民総生産が世界第三位に転落し、かつては日本のメーカーが席巻していた家電製品は、新興国のメーカーから突き上げをくらい家電会社は巨額な赤字を計上している。経済界は、中国の動きに翻弄されている。国力の衰退とともに、中国以外の周辺国からも茶々を入れられる始末である。
日本という国家、とともに日本人であることに一抹の不安を覚える昨今、日本人が日本の国で世界に冠たる仕事を成し遂げ、その成果に対して日本国に謝意を示す。国粋主義者ではないが、今回の受賞で「Made in Japan」であることの重要性、そして、あるべき日本人の姿を山中先生に見たような気がした。
まだまだ若い山中先生が、まだまだ発展途上にあるiPS細胞の研究を進化・深化・新化させ、真価あるものになることを願ってやまない。

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