山本耀司という人~第8回~
札幌店閉店を想う
耀司さんシリーズは久しぶりです。不定期に思ったことを書いて行きたいと思います。
この秋冬はフェラガモとコラボしています。
少し前にヨウジ札幌店が一旦?閉店するという連絡が来ました。私がヨウジを購入し始めたのが、忘れもしない92年春夏のシーズンからで札幌店でした。伝説のコムデギャルソンとの合同コレクション「The Men」には間に合わず、そのコレクションの目玉と言えるマーメイドのレザーブルゾンを何度ヤフーオークションで探したことか。旭川で働き始め、もらった給料を片手に憧れの札幌のワイズフォーメンで服を購入するようになりました。何度か通っているうちに「ヨウジヤマモト」があることを教えてもらい訪ねてみました。
比較的大きな道路に面しているいわゆる路面店で、全面ガラス窓のコンクリート打ち放しの建物でした。中に入るにも大きな開きドア(扉?)があり、まるで「ヨウジを着られるものなら、来て着てみなさい」と訴えかけてくるかのような関所になっていました。その後、何度も店を訪れたのですが、おそらくその大きなドアに威圧されたのでしょう、入ってみようと試みて躊躇した方を何度も見ました。中は天井の高い黒を基調とした広々した空間で、黒に塗ったスチールを配管のように天井に張り巡らせていたように覚えています。床は確か幅広の無垢の木材をラフに使っていたような、一階がファム(女性)で二階がオム(男性)なのですが、螺旋階段を上って行く時にギシギシ音を立てていたような印象が残っています。入る前は相当気合いが入りましたが、入ってみるととても居心地が良い空間で、今までに行ったお店の中で一番落ち着く空間でした。私にとっては、ヨウジ本店である青山店よりもお気に入りでした。
数年前には路面店から丸井今井(札幌の百貨店)に移るとの連絡がありました。大通りから少し離れた知る人ぞ知るロケーションからたくさんの方が行き交う百貨店内へ、あのロケーションにあの外観に思い入れがあった私としては、相当ショックだったのを憶えています。昨年の夏に北海道旅行した際、丸井今井に移ったヨウジ札幌店に行きましたが、以前と比較して狭く、天井が低く、オム・ファムが一緒に並べられていたのでとても窮屈に感じました。その後丸井今井は会社更生法を申請し、しばらくしてヨウジ札幌店の閉店の話。路面店から百貨店への移転、そして閉店、この一連の流れは私のような一愛好家には分からない妥当な経営判断があったとは思いますが、思い出の地の思い入れの強いショップの閉店だけに、自分の帰る場所が一つなくなったような、そんな喪失感を感じています。
今シーズン私の好きなスタイルです。