院長のコラム

岸本周平知事ご逝去

三月十四日、岸本周平知事が倒れ救急搬送されたとの情報がネット配信された。前日には関西万博のイベントで御輿を担ぐ模様も放送されていたから驚いた。脳もしくは心臓の虚血性疾患を疑っていたので、敗血症性ショックと聞いて驚きは一層。「血が敗ける」病というくらいだから、感染源が全身に蔓延していたことになる。「病に倒れるまで熱はなかったのか」、「感染源は何だったのだろう?いつどこで感染したのだろうか?」疑問はやまない。回復を強く願う県民の思い虚しく、翌十五日ご逝去された。

このコラムで以前書いたように、県知事選に立候補を表明した際、岸本さんは当院に挨拶まわりに来てくれた。民主党政権に対して強い抵抗感を持っていた僕は、畏れ多くも「適当にあしらっておこう」くらいの距離感で臨んだ。東大から財務省に進んだエリート官僚の片鱗はなかった。元国会議員という不遜な態度は微塵もなかった。腰が低くて気さく、それでいて県政に対する情熱は立板に水のごとく。敬意を込めて岸本さんを先生呼ばわりしたら、「(長嶋)先生、これからは周平さんと呼んでくださいよ」には面食らった。岸本さんの人間性にすっかり魅せられた。面会の際、「リスキリング、視聴覚障害者の教育、和歌山、特に紀南の観光の活性化を重点的に行っていきたい」と熱弁していた。リスキリングについては、和歌山市と新宮市に夜間中学を設置する方向で進んでいる。視聴覚障害者のため、積極的にタブレット端末を導入していく施策をニュースで聞いた。紀南の観光活性化のため、南紀白浜空港(熊野白浜リゾート空港)の延伸化に向けた予算がついた。岸本さんが県知事になって以降、近畿のおまけと言われ続けていた和歌山県が変わる予感がしていた。その矢先の訃報に、県民として非常に残念でならない。一番悔しがっているのは、きっと本人に違いない。

トランプ2.0が始動した現在、右往左往、なす術なくやられっ放しの現政権には閉口している。「安倍さんが存命していたら」と思うのは僕だけではないはず。二十五年度予算案成立の際、少数与党の石破政権を追い込む機会はあった。にも関わらず、どちらから秋波を送ったのか、日本維新の会が石破政権の延命に一役かってしまった。トランプの「アメリカ第一主義」に対して「財務省主導による党利党略第一主義」の我が国は混迷の時代にいる。和歌山県知事選は五月十五日告示、六月一日に投開票が決定した。政党の臭いのついた人はもういい。自公維新以外で、岸本さんの意志を継承し和歌山県をもり立ててくれる人が立候補してくれることを願う。そして、今回の知事選が来たる参院選の試金石になることを願ってやまない。岸本周平知事の御冥福をここにお祈りする。

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