年男だったはずなのに
2014年もとうとう終わる
今年2014年は、4度目の年男を迎えた。丙午(ひのえうま)生まれの僕は今年、千里の馬か跳ね馬のように疾走するつもりだった。年の瀬に振り返ると、例年よりも紆余曲折、試行錯誤、一進一退、波瀾万丈、有為転変に富んだ一年になった。
このコラムには否定的、悲観的なことを極力書かないようにしているので、読んでくれている方には、僕という人間が日々楽しく生きているように映っているかもしれない。安楽と同じくらい苦労、苦心、苦悩があることを告白する。
信頼していた人からの裏切り行為や支援していた人からの逆ギレがあった。来る者拒まず、誘われれば胸襟を開いて付き合うようにしているが、去る者追わず、一度きりの食事で終わった人や段々と音信が途絶えた人も多い。相性もあるが、去って行った人間に共通するのはこちらに依存関係を求めてくることだ。寄りかかるのは簡単だが、寄りかかられた方はたまったものではない。自分自身が綱渡りの人生を送っているのに、他人の面倒までみることなどできない。
自分と関わる人とはWin-Winの関係を築くことを願っていた。けれども、それはあくまで個々が常識人で自立していることが大前提である。「情に棹させば流される」を、身を持って知る1年になった。
雇用でも悪戦苦闘した1年であった。自分では高いハードルを設定しているつもりはなかったが、定着しなかったという事実は、当院の雇用条件が厳しかったと言わざるを得ない。そもそも、人間性を履歴書と面談だけで判断するのは困難である、そのことを痛感させられた1年になった。しかし、「情に棹させば流されなかった」のは、自身の独断と偏見で職員採用の可否を決めなかったからである。One for all、All for one、当院はチームプレーを重要視しているのでスタッフの意見は尊重する。だとしたら、開院8年で醸成されたクリニックの雰囲気が雇用条件を狭めていたとも言える。とはいえ、最終判断および伝達は自身でしなければならない。相当な重圧がかかっているようで、伝える前後で必ず下痢が続く。今年は、頻回の下痢に見舞われた1年とも言える。
「若い時の苦労は買ってでもせよ」という諺があるが、「中年になってまで苦労をしたくないよ」が本心である。自身の人徳および危機管理能力の欠如に問題があるとは言え、いつまで人生の難問奇問に対峙し続けるのだろうと考えることがある。来年はいよいよ、サービス付き高齢者向け住宅の運用開始である。今年と同じように来年もビジネスや雇用関係で苦悩するのか、と今から憂慮している年末である