院長のコラム

弾き語りTOUR 2023 ぬくもり〜旅の途中〜

 

長男と会話する機会に、流れで川崎鷹也のコンサートに行くことを話した。「川崎鷹也?」、「『アラジンのように魔法の絨毯に乗って 迎えに行くよう』って曲流行ったやろ」、「あぁ、『お金もないし力もないし地位も名誉もないけど 君のことを守りたい』とか言う曲やろ。自分の周りでは、終わっているあかん男の曲って有名やで。」と返答が返ってきて驚いた。我々の世代からすれば、「それくらいの気概を持って君を愛している。だから僕は頑張るよ!」という決意表明と受け取ったが、Z世代の視点は額面通り。我々が若い頃は年功序列制度があって、頑張ればいつかはそれなりのポストと給与が保証されていた。しかし、いまや成果主義に重きが置かれるようになった。夢よりも現実、理想よりも現実、明日よりも今日。今自分が長男と同じ年齢なら未来に何を想うだろう。

話をコンサートに戻す。定刻から遅れること20分、本人の登場で開演。いきなり「皆さん、立ってください!」の掛け声が。「あれ?セットリストと違う。コンサートに慣れていない田舎で大丈夫?」と不安になった。けれど、つかみはオッケーだったようで、出だしから盛り上がったような雰囲気に(ほぼ最前列なので後ろの様子は全く分からず)。盛り上がったところで、「はい、では座ってください。」と、「弾き語りTOUR 2023 ぬくもり〜旅の途中〜」というツアータイトル通り、彼が得意とする温もりのある歌詞に穏やかで耳馴染みのいいメロディーラインの曲が続いた。聴いたことのある曲もあるけれど、初めての曲が圧倒的。「出会い」「感謝」「愛」「優しさと温もり」「何気ない日常」、普段なら偽善的と一刀両断したくなる内容の歌詞だが、川崎くんの独特の声と音調使いでもってギター一本で弾くサウンドは、迷うことなく心地よかった。MCも楽曲同様、彼の人柄が伝わる誠実なものだった。今でこそ名がしれ、ライブにもたくさんの人が集まってくれるようになったけれども、いつも思い出すのは売れなかった日々のこと。印象的だったエピソードは、ライブ前にライブハウス前で配ったフライヤー(ちらし)が、ライブ終了後に路上に捨てられ踏みにじられている光景を見た時の得も言われない心情を吐露した時。もちろん、そのライブに集う客は少なかった。興味本位、面白半分で参加したライブだったが、ミュージシャンとしての才能は無論、彼の人となりを知ることが出来て、大変有意義な時間を過ごすことが出来た。

彼の軽妙なMCで分かったことがいくつか。開演時間が遅れたのは、紀南文化会館開館以来の集客数になったこと、一部座席にダブルブッキングがあったようでその対応に追われていたそうだ。和歌山南部でのコンサートなので、参加者はほぼ和歌山県人と思いきや、案外近隣他府県からも訪れていたようで、遠くは関東方面から新婚旅行を兼ねて来ていた。川崎君が「和歌山、和歌山」と連呼したのには、当初違和感を覚えた。「ここは和歌山と言っても県庁所在地から遠く離れた和歌山県第二の都市。南北格差が激しい低い方の地域!」と内心思ったが、関東から見れば和歌山に違いはない。無邪気に「和歌山」を連呼し楽しそうに振る舞う彼の姿を見ていたら、微妙な感覚はいつの間にか消え去っていた。彼の旅がさらに発展することを祈念して会場を後にし、いつもの二次会へ向かった。「いやぁ、ライブって本当にいいもんですね。」、水野晴郎氏の言葉が思わず浮かんだ。

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