院長のコラム

懐かしき80年代

2013.12.1

アロハ・ブラザース

現代は、僕が中高校生の時と比べてはるかに便利である。
何かわからないことがあれば、ネットを調べたらほとんどのことが分かる。むしろ、必要以上の情報まで知ることになって辟易したり、調べなければ良かったと後悔することがある。携帯電話が普及してから、待ち合わせに遅れることはあっても会えないことがなくなった。メールか電話をすれば済む。
しかし、便利にはなったが、幸せになったかと言われれば分からない。知らぬが仏という諺があるように、知らないことの方が幸せなことがある。待ち焦がれるという言葉があるように、出会えた時の喜びは現在の比ではない。

音楽環境でも同じことが言える。我々の時代はレコード世代である。中学時代、ソニーからウォークマンが発売され音楽が街に出て行けるようになった。レコードからカセットテープに録音するのが一苦労だった。A面を録音してからB面になるのだが、曲の長さとテープの録音時間が合わない場合は大変である。マイ・ベストテープを作ろうものなら、相当な時間と労力を要する。先ずはたくさんのアルバムを借りてこなければならない。何度もアルバムを出し入れしては、レコードの針を落とすタイミングと録音開始ボタンを押すタイミングを合わせなければならない。失敗すれば何度でもやり直さなければならない。だから、マイ・ベストテープが出来た時の達成感は相当である。

音楽の情報も当時は相当限られていた。テレビの音楽番組は、いわゆる歌謡曲が全盛の時代である。大衆音楽に演歌やアイドル曲が中心で、思春期の自分にとっては物足りなかった。貴重な情報源はラジオである。ラジオから流れてくる音楽に心ときめかせ、その中でも特に気に入ったものはミュージシャンの名前を覚えて、翌日レコード屋に自転車を走らせ50音順に並べられたコーナーを手探りで探す。ここで大事なのがアルバムジャケットである。気に入った曲が入ったアルバムジャケットを見て、そのミュージシャンを想像する。知っている数曲と知らない曲名とアルバムジャケット。試聴なんて出来ないから、自分の感性を信じて中高生の数カ月分の小遣いを託す。これは、ある意味博打である。失敗したこともあったが、そうして選んだミュージシャンやアルバムは今でも覚えている。

あれから30年。調べればいくらでも調べられる。自宅に居ながら、無料で試聴も出来る。気に入れば、簡単にダウンロード出来る。しかし、莫大な情報がPCの前にあるにも関わらず、今の僕の気持ちを満たす音楽は残念ながら見当たらない。自分の年齢、経た経験、置かれている状況に環境そして気分、流行も大事な要素である。音楽は、自分の感性に共鳴しなければ心に届かない、響いてこない。
今のように社会が高度情報化し、また多様化すればするほど、自分の求める音楽を探せないでいる。だから、いつまでも10代の時感性に響いたミュージシャンを聴き続けている。ほろ酔い加減でPCに向かった時、いつもyou tubeで探すのは80年代の曲である。
今回ご縁があって、日本のポップソングのメインストリームにいた二人のコンサートを開催することが出来る。至福の時を僕はどうやって迎えよう・・・。

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