院長のコラム

懐の浅い男

2014.02.16

月とすっぽん


やしきたかじんさんの訃報が伝えられてから数ヶ月経つ。親交のある方のコメントから、男気・度胸のある、仁義に厚く、気っ風がよく、侠気に富んでいて、しかも思いやりがあって優しい人物像が浮かび上がってくる。この話を聞く度に、自身の懐の浅さを痛感する。

先日の酒席で、ある方から「先生は、週に何回自宅で夕食をとるのですか?」と聞かれた。「逆ですよ、週に1、2回外食する程度です。」「そうですか?毎日出歩いているイメージがあるので。」と返された。
出歩いている印象、本人を目の前にして言うくらいだから、交友関係の広さでもってそのように理解されたと思うのだが事実は異なる。飲食を共にする人間は、相も変わらず代わり映えのしないお決まりの面子である。中学の同級生、気心の知れた異業種仲間、親しくさせてもらっている高校の先輩、門前薬局の薬剤師さんを中心とした製薬関係者が主である。
日本製薬工業協会が2011年に策定した「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」が実施されて以降、製薬会社の説明会と称する接待は全くなくなった。だから、同業者と食事をすることもほとんどなくなった。僕の場合の製薬関係者との食事は割り勘ではなく、年収に応じた費用負担を強いられる。

飲む場所もほぼ決まっていて、片手で収まる店を順番に選んでいる。しかも、飲んで食べて五千円前後で済む店にしか行かない。僕の場合、飲むというよりも会話が中心となるので、一に会話、アルコールは会話を盛り上げるためのものに過ぎない。食事はあくまでもツマミなので、高価なものは要らない、安い季節のものを食べられさえすればいい。
五千円前後で済む店を選ぶ理由は、費用対効果が最も優れているのと、もう一つ理由がある。年下と食事をする機会が多いので、支払い時にきりがいいからと一万円を支払うようにしている。そうすれば、少しだけ兄貴分を吹かせることが出来る。

終了時間も、遅くとも二十二時までと決めている。以前はそうでもなかったが、40歳を越えた頃から深酒の翌日の仕事が辛くなった。しかも、二十二時を越えてからの会話は、惰性で同じことの繰り返しで内容がないことを、ある時気付いた。お風呂に入って一段落して、その日の出来事をニュースで見てその日のうちに就寝しようと思えば、逆算して二十二時が酒席を終える限界である。

開業医といえども経営者でもある。週に1、2回の外食、費用は5千円前後、二十一時半頃にはそわそわと帰宅する準備。改めて振り返ると、「こんな経営者如何なもの?」と思わず自身をいぶかってしまう。たかじんさんと較べると、「月とすっぽん」「提灯に釣鐘」である。こんな懐の極めて浅い男でも、付き合ってくれる仲間がいることに感謝しなければならない。
一方、上を見たらきりがないが、下を見てもきりがないことも事実である。せこくて、みみっちく、しみったれた自分から見ても、自分の方が優位と思える人が多々いる。意外と同業者にそれを感じることが多い。社会的地位や肩書が優れているが故に、人間性の卑小さが際立つのだろう。尊敬されなくてもいい、羨ましがられなくてもいい、人から好かれる人物になりたいものである。

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