院長のコラム

明日のトオル

2012.11.4

期待の星、希望の星

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僕が大財閥の子女だったら、きっと好きになっていたと思う、橋下徹大阪市長のことを。「明日のジョー」の白木葉子のように。

この情報化社会、調べればあっという間に分かることだが、敢えて彼の凄さを記しておきたい。今話題になっている出自のことを僕は問うつもりはないが、金銭的に恵まれた環境に育たなかったことだけは確かである。大阪の名門公立高校に進学し、ラガーマンとして花園の舞台で活躍し高校日本代表に選抜された経歴の持ち主である。おそらく、文武両道を実践した中等教育時代であろう。自分の高校時代で考えると、こんな人物がいたら学年一のモテ男で、先生を含む周囲誰もが、さぞ一目置く人物であっただろう。今とは違って。

1年の浪人の後、早稲田大学政治経済学に入学、卒業した年に司法試験に合格している。この文章だけなら「ふうん?」というだけであろうが、卑近な例で言えば、同じ政治家に元自民党総裁谷垣禎一氏がいる。谷垣氏は麻布高校卒業、東京大学法学部卒で弁護士になった、いわゆる典型的エリートである。週刊朝日的に言えば、血筋・DNAも申し分ない家系である。けれども、谷垣氏は司法試験合格までに数年を要している。
「明日のジョー」で言えば、リングに上がるためには、血統・育ち・学歴は関係ない。ただ、強いか弱いか、だけである。少しニュアンスは異なるが、現代科挙である司法試験も同じだと思う。そこへたどり着くまでにどれほどの努力をしたか、しなかったかだけである。大阪のドヤ街に住んだ男(週刊誌情報)と東京の山の手に暮らした男。谷垣氏と比較すれば相当恵まれない環境にあった彼が、そこにたどり着くために、どれだけ血の滲む努力をしたか、時にはジョーのクロスカウンターように正攻法と異なる勉強法を用いたかもしれない。何れにしても、幼少期から相当な刻苦勉励があったことだけは確かである。

その後のテレビでの活躍は、皆が知るところである。弁護士らしくないチャラけた弁護士というキャラクターを演じていれば、年収1億円以上が約束されていたことは想像に難くない。例えタレントとして人気に陰りが出たとしても、一発屋芸人とは異なり本業でも十二分に食べていけたはずである。
地位・名誉・金を手に入れた彼が、次に手に入れようとしたものが権力とするにはあまりにも短絡的すぎるように思う。年収は十分の一になった上に、タレント時代の女性関係や自分の出自まで暴かれ、ハシゲやハシシタと嘲られ、政策を明らかにすれば先導的右翼とレッテルを貼られ、政策を遂行しようとすれば独裁者と罵られる。本人はもちろん、家族や親族に対する精神的圧力は想像を絶するものに違いない。普通の人間には耐えられない、権力を得るにはあまりに代償が大きすぎる。

そこまで彼を突き動かすものは一体何だろう、と考えてみる。人それぞれ橋下氏に対する見方は異なるだろうが、一言で言えば「世直し人」あるいは「救世主」と僕は見ていた。閉塞感に澱み硬直化した日本国を、周辺国から見下され世界から見放されていくこの国を変えてくれる救済者だと思っていた(過去形なのは、最近???と思うようなことがあるから)。
何はともあれ、物語「明日のトオル」はいよいよ佳境に入りつつある。ますます彼から目を離せない。

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