院長のコラム

未知なる世界(ルイヴィトン「TIME CAPSULE」展パート3)

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別世界の最後は商談スペースである。商談スペースには、トランク、バッグのサンプルが数多く並べられていた。ディスプレーされていたすべて、ハンモック、茶器、すべてのトランク、はたまたソファまでもちろん商品で、顧客のみが注文出来る数少ない機会だそうだ。全国から選ばれた顧客が集結しているようで、数多く用意されていたテーブルはほぼ満席状態だった。どのテーブルも多くのサンプルが並べられ熱心に商談がなされていた。

門外漢である我々は、周りに起こっている出来事の方が興味津々で、隣のテーブルの声、遠くに見えている若き夫婦の光景、懸命に対応しているスタッフ達の動向が面白かった。美味しいチョコを食べジュースばかり飲んでいては申し訳ない。チタン製の一番小さなバックを見せてもらった。ふぎょぎょ、プリウス一台が買えるではないか。クロコダイルのバッグも同様の価格である。とても気になった雛人形や兜はと言うと、ベンツのEクラスが余裕で買える価格である。びっくり仰天を通り越して、はあー、溜息しか出なかった。決して広いとは言えない商談スペースでは、とんでもないことが起こっていた。ベンツやBMW、レクサスに匹敵するものが、そこら中に何気なく置かれている。商談テーブルは顧客が入れ替わり立ち替わりし、どんどん予約が入っていく様を目の当たりにした。それは即ち、欲望と見栄が渦巻いている世界なのだ。立ちくらみを覚えそうになった。

今回、未知の世界に足を踏み入れた。僕が知らない世界があることを知った。ラグジュアリーな世界があることを知った。ルイヴィトンの懐の広さと深さを知った。頑張っても頑張っても、たどり着けない世界があることを知った。けれども、たどり着けなくてもいい、強がりではない、心底思った。もし僕がルイヴィトンに目覚めたとしよう。厳然と構築されているルイヴィトン・ピラミッドに僕が入り込める隙間などない。そこに強引に入り込んだとして、どれだけの時間とお金がかかるのだろうか。入り込めたとして、僕の周りの人々は何を思うだろうか。きっと、内心「らしくないね。」と思うに違いない。何よりも僕自身が、ルイヴィトンという名の甲冑に馴染めないことは明白だ。なぜなら、僕には十代から着続けているヨウジヤマモトがあるからだ。

僕の価値・判断基準はシンプルで、何時まで経ってもクルマとヨウジが物差しである。最近は昔よりも随分高くなったとは言え、今でもファッションの比較対象の基準がヨウジヤマモトなのだ。もし、ルイヴィトン別注のバッグが一個買える権利が与えられるなら、それを直ぐに売却して夫婦でヨウジの服を倍買うことにするだろう。これは決してルイヴィトンを否定しているわけではない。ただ、LVという文字がなぜか受け付けないだけなのだ。染み付いた価値観は、なかなか拭い去ることが出来ないものだ。逆に、刻み込まれた流儀を持てば何も恐れることはない。未知なる世界に足を踏み入れて分かった。「何処に行っても、自分らしくあればいいんだ。」「他人の芝生は、あくまでも他人のものなのだ。」「僕はこの先も自分の心のまま物欲を満たせばいいんだ。」、そんなことを考えながら台風の接近を直前に帰宅の途についた。

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